AK-69、リアルな描写で伝える“真実の愛”のかけがえのなさ 男女をテーマにしたショートムービーから考察

 AK-69が、デジタルEP『ハレルヤ -The Final Season-』をリリース。2月2日に豊洲PITで開催されたライブ『THE LIVE -6900-』で収録曲がいち早く披露され、「新曲聴いたら涙ボロボロなぜか出てきました」、「新曲めっちゃいいよ!最高~」などの声が寄せられ、期待が高まっていた。そんな今作には“男と女”をテーマにした3部作を収録し、それらの楽曲を元に制作されたショートムービーも公開され、感動と衝撃の内容が話題になっている。いわゆるHIPHOPファンだけでなく、多くの音楽リスナーに届く一作に仕上がった。

男女の愛をテーマにした3部作

 前作のアルバム『ANTHEM』を筆頭に、常に自分の内にあるものと闘い、孤高の開拓者として多くの人々のハートに火をつけてきたAK-69。そのメッセージ性の高さから、プロ野球選手からラグビー日本代表、格闘家や力士など多くのトップアスリートのみならず、第一線で活躍するビジネスマンまでも魅了してきた。そんなAK-69が、本作収録の新曲3曲のテーマに選んだのは“男と女”、つまり愛だ。「See You Again -Season1-」、「I Don’t Wanna Know -Season2-」、「ハレルヤ -The Final Season-」という全3章で構成されている。

 まず第1章「See You Again -Season1-」では、この物語のプロローグ的な内容が明かされる。主人公である男(清水尋也)には、忘れられない恋があった。今は新たなパートナー(永尾まりや/以下、女B)がいるにもかかわらず、無意識に脳裏をよぎる彼女(山崎紘菜/以下、女A)との思い出。男が女Aに抱いていたのは、自分が素直であり続けられるような身近で温かな愛情。強く惹かれあっていた二人だったが、運命のいたずらか、男は今では女A(〈バイバイしたメランコリック〉)とは真逆のタイプのゴージャスで蠱惑的な女B(〈横にゃヘップバーンみてぇなChich〉)との未来を選択している。「See You Again」という言葉は、男に残されたたった1つの望みなのだろう。様々なシチュエーションで女Aと繰り返しすれ違うシーンは、〈また生まれ変わったなら お前を見つけ出しに行くよ〉というフックをイメージさせる。また、浮遊感のある穏やかなシンセサウンドやエフェクティブなボーカルは、まるで女Aとの醒めることのない夢の中にいるような雰囲気を醸している。

AK-69「See You Again -Season 1-」

 第2章「I Don’t Wanna Know -Season2-」で描かれるのは女Bの裏切りだ。セレブが集うようなパーティで知り合った男と女B。見た目の華やかさとは裏腹に〈どんな時でも俺を待った〉、そんな一途さに男は惚れ込んだ。女Bの〈ヨソの花とは違った〉魅力にどんどん惹かれていき、まるで〈ジャスティンとヘイリー〉のように濃密な愛に溺れていく二人。しかし、男の前で見せる姿とは異なる女Bの姿があったのだ。重くシリアスに響くラップは、男の心の奥の本音を吐露するような雰囲気。不穏な空気感を持ったダークテイストのサウンドに乗せて、男の胸の内が歌われていく。タイトルの「I Don’t Wanna Know」は、「知りたくない」という意味。どんな真実があろうとそれを知らなければ、これまでどおり一緒にいることもできたのかもしれない。しかし、すべてを知ってしまった男はその嘘にまみれた恋愛に自ら終止符を打つ。

AK-69「I Don’t Wanna Know -Season 2-」

 最終章となる「ハレルヤ -The Final Season-」は、冒頭のピアノの音色がどこか悲しげで、最期の時を迎えるかのような雰囲気。歌詞では、失って気づいた〈my perfect queen〉(=女A)への本当の愛に気づき、〈この隣は君じゃなけりゃ〉と改めて『タイタニック』の〈ジャック&ローズ〉のような永遠の愛を誓う。「ハレルヤ」は、神を祝福し許しを請う言葉。サビでは、男のすべての出来事を浄化し、真実の愛に辿り着くことができた男を祝福するような、清々しさと抱擁力に満ち溢れたサウンドが鳴り響く。人間は誰しも選択を誤ることがあり、それも含めて人生。しかし、その後悔と懺悔の念は自らの最期まで心に深い傷を残す。だからこそ本当の愛とはなにか、本当に自分が愛し、愛される相手は誰なのかをしっかり見つめてほしい……そんなメッセージが、この曲からは聞こえてくるようだ。

AK-69「ハレルヤ -The Final Season-」
 

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