AK-69×UVERworld、ジャンルを超えたリスペクトと音楽への愛 『ROCK YOU』対バン振り返る
AK-69とUVERworldが、“69の日”として6月9日に豊洲PITで開催した対バンライブ『ROCK YOU』には、「Hip Hop vs Rock」というテーマが掲げられていた。
昨年も同日に2組で赤坂BLITZにて開催した『LOCK YOU』に続く今回のイベント。この2組は、昨年10月、AK-69の日本武道館公演『DAWN in BUDOKAN』にUVERworldがゲストとして、さらには2016年に日本ガイシホールで開催のUVERworldの全国ツアー『UVERworld ARENA TOUR 2016』にAK-69がゲスト参加するなど、幾度となく共演の機会はあった。2016年に発表したAK-69のアルバム『DAWN』収録のコラボレーションソング「Forever Young feat. UVERworld」に始まり、6月20日発売のコラボレーションベストアルバム『無双Collaborations -The undefeated-』に収録されている2組による新曲「ONE LIFE feat. UVERworld」が示す通りに、AK-69とUVERworldはジャンルの壁を越えた盟友として、熱の冷めない交流が続いている。
「Hip Hop vs Rock」というカードは、一見すれば異種格闘技戦。それは、豊洲PITに集まった客層を見ても、人種のるつぼと言わんばかりに、少し異様な光景である。2マンライブの先行を務めたのはAK-69。煌びやかにアレンジされたコーラス主体の「THE CARTEL FROM STREETS」をバックにステージに登場したAK-69は、「Prologue」でライブの口火を切る。「愛の溢れるぶつかり合いだろ。ロックとヒップホップが一つになる日。お前らが愛しているUVERworldが認めた男がどんなライブをするのか、しかと見届けて帰ってくれよ」とUVERworldのファンである“Crew”に呼びかけると、AK-69は「It's ON」でアカペラでのラップを始め、捲し立てる彼のリリックにドラム、ベースが徐々に折り重なっていく見事なセッションで会場を一気に沸かせる。「A Hundred Bottles」「Yellow Gold」といったドープなサウンド、リリックの楽曲を披露後は、「血と汗と涙を捧げて、それでもどうしても会いたい彼女がいるんです。その彼女の名前はFlying Lady。さぁ、みんなで会いに行こうぜ」とHIDE春、CITY-ACEをゲストに”夢を掴み取る”というテーマを彼女に例えた楽曲「Flying Lady」、そして「IT’S OK」をパフォーマンスした。昨年の6月9日にデジタルシングルとして発表した「Stronger」は、AK-69が亡き父へ思いを歌った楽曲であり、手紙だ。「ヒップホップとは、音楽プラス生き様」そう言い切るAK-69は、亡き父の壮絶な死に様から男としての生き様を知り、「Stronger」を制作した。〈優しさとは強さ〉は、父へのリスペクトを感じさせるリリックだ。
『無双Collaborations -The undefeated-』には、Toshl(X JAPAN)とのコラボ曲「BRAVE」が収録されており、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でのパフォーマンスも大きな話題になった。「Hip Hop vs Rock」が掲げられたこの日、“ロックの神様”であるToshlがステージに登場。割れんばかりの声援に応えるかのように、ハイトーンボイスでフロアを圧倒した。ラストのサビでは、ToshlがAK-69を見つめながらシャウトし、そのまま熱い握手を交わして、ステージを去っていった。これから大きな挑戦を控えた友人に捧げると「ロッカールーム」を披露した後は、ラストナンバー「THE RED MAGIC」ではAK-69のファン“69Homies”によるハンドマーク「69」が無数に浮かび上がった。