1stアルバム『LIBRE』インタビュー
ONEPIXCELが振り返る、苦楽の日々で培われた3人の絆と成長「ワンピクに出会ってなかったら今の自分はない」
「涙が止まらないって、こういうことなんだ」(鹿沼)
ーー(笑)。5年間で1番の思い出をあげるとすると、今、脳裏に何が思い浮かんでます?
鹿沼:私は「メジャーデビューします」って発表したあと、「LAGRIMA」が『ドラゴンボール超』のエンディングテーマに決まりましたって聞いた瞬間ですね。ステージ上でサプライズで発表されたんですけど、私はアニメ『ドラゴンボール』を本当に小さい頃から見ていて。家族全員が大好きなアニメだったので信じられなくて。ステージ上で号泣したんですけど。
傳:すごかったね。あそこまで泣いてる人がいると人は引くんだって思いました。
田辺:傳ちゃん、すんってなってたね。
鹿沼:あはははは。申し訳ないけど、それくらい嬉しくて。涙が止まらないって、こういうことなんだって思ったし、3人でやってきて、テレビから流れるエンディング曲になるってすごいことじゃないですか。あれは最高の瞬間だったと思います。
田辺:私が今、思い浮かんでるのは、一番最初に出会った時。出会いはみんなバラバラなんですけど、私が一番最後に合流して。スタジオで歌のレッスンだったんですけど、自分の服装も覚えてて。今よりもムチムチしてる太もも……。
鹿沼:ななみん、今、話しながら触ってるの、二の腕だよ。
田辺:ああ、二の腕を出したノースリーブの花柄のワンピースを着て、緊張しながら行って。あの瞬間は忘れないですね。亜美は髪が長くてポニーテールにしてたんですよ。この子は私と全くキャラが違うから仲良くなれないかもしれないって最初は思って。でも、すごく喋る子だから、仲良くなったら面白そうだなってくらいだったんですよ。傳ちゃんは、これ、何回も言ってるんですけど、入ってきたときの笑顔が輝いてて。
鹿沼:わかる! 目の奥が輝いてるんだよね。
田辺:この子、写真で見るよりめっちゃ可愛い! って思って。ずっと緊張してたので、その日のレッスンで何をしたか覚えてないです。
傳:1曲をずっと練習してたよね。
鹿沼:「YEAAAHHH!!!!」を3時間くらいやってたかな。
田辺:今、その日のことを思い出した。
鹿沼:私も覚えてるよ。ななみんは目がおどおどしてた。
傳:怯えてたね(笑)。私は、去年の5月に自分たちで作ったファン感謝祭の2部でレベルアップ発表会をやったことですね。そこで、「LAGRIMA」をハモりを入れて、アカペラでやって。そのときの練習から本番までが一番印象深くて。今まで、サビをユニゾンで歌ってたので、ハモりが本当に難しくて。3人で顔を合わせながらやっていると、今、ここで息をするんだとか、ここで切るんだっていうのが、目で伝わってくるんですよ。練習の時はできなかった回数の方が多いんですけど、できたときの達成感と気持ちよさ、それにメンバーへの安心感と信頼度をすごく感じて。なんかね、歌が目で見えたんですよ!
鹿沼:あはははは。“歌が見えた”って、カッコいいんだけど!
田辺:ふふ。でも、ちょっとわかるね。
傳:わかるよね。3人の息が見える感じがすごく気持ち良くて。
田辺:あの一体感ね。でも、練習ではほとんど成功しなくて。緊張しながらも、「大丈夫、私たちならできる」って言い合いながらステージに出て。
鹿沼:本番は大成功したんですよ。終わった後に抱きついて喜びたかったけど、次があるから抑えて。あの時の感動も忘れらないですね。
傳:ね。この3人じゃなきゃできないんだっていうのが改めて知れて楽しかったです。
「クラスにいても絶対に友達にならない」(傳)
ーー3人は撮影中もすごく仲良さそうに話してましたよね。
傳:いや、全然そんなことないんです。
鹿沼:あはははは。こういう時なんて言っていいかわからないんですよ。
田辺:「そうなんです。仲良いんです」っていうのはちょっと恥ずかしいしね。
鹿沼:本当に仲が良いからこそ、どうやって返していいか分からなくて。だから、傳ちゃんは最近、否定するようにしてて。「そんなことないです。ぜんぜん仲良くないです」って言うんですけど、本当に変な関係だなって思ってて(笑)。
ーーどんな関係だと言えばいいですか。
傳:去年の夏のツアーで、亜美が曲ふりをする前に、メンバーの大切さをちょっと話したんですよ。
鹿沼:いい雰囲気の中で語ってたんです。
傳:そろそろ締めに入りかかった時に、「私にとってのメンバーは、家族でもないし、友達でもないし、親友でもないし、仲間でもないし」って言って。え? 何でもないの? って。
田辺:誰も突っ込めないまま、次の曲にいって。
傳:ファンの人も「ん?」ってなったけど、きっと気づいてくれたと思う。
鹿沼:そう、間違っちゃいました(笑)。本当は「仲間だ」ってことでまとめたかったと思うんですよね。結局、全部否定しちゃったんですけど。
傳:うまからず甘からず辛からずね。
鹿沼:でもね、いまだになんと言えばいいか分からなくて。日本の言葉ではまだ追いつてない。
田辺:海外の言葉で言っていいよ(笑)。頑張って。
鹿沼:(笑)。違う違う。この世にある言葉が、私たちの関係に追いついてないの。本当に家族でもないし、ただの友達でもないし、親友っていう言葉では括れないし。仲間ではあるけど、もっと違う言葉があるんじゃないかなって。だって、昨年春の東名阪ツアーでめっちゃ喧嘩したんですよ。今までもちょこちょこ、機嫌が悪くなったりはあったんですけど、大喧嘩して。私、鏡に向かって、メイク道具をぼん! って投げましたからね。
傳:ブチ切れてたよね。ちっちゃいことの積み重ねなんですけど、お互いに言わずに溜め込んでしまっていて。
田辺:言えたはずのことを、その時に言わなくて、一人ひとりが我慢しちゃって。そこで話し合ったら、みんな、「自分が悪かった。ごめんね」って言って。
傳:結果、思ってることは同じだったんだよね。同じことを不満に思った。
鹿沼:同じタイミングで、同じことでイライラし始めて。本当に言葉足らずの喧嘩だったんです。でも、その喧嘩を経て、関係がより良くなったというか。もちろん、5年も付き合ってるので、嫌いなところはありますけど、楽しいことの方が多いし、もっと一緒にいたいなと思うし。仕事じゃないことも話すから、それぞれ地元は違うのに、地元の友達なの? っていうくらいお互いの友達の名前も知ってたりします。
田辺:普段、連絡はあえて取らないからこそ、会った時にプライベートの話をたくさんしてるのかもしれないね。
鹿沼:チームのメンバーでもあるし、一番の友達でもあるし、一番頼れる人でもある。なんか、いいとこ取りができてる関係だなって思うので、早くこの関係を言葉で表現できるといいなって思いますね。
ーー田辺さんはどう思います?
田辺:本当に言葉では表せないですね。いなかったら寂しいし、ONEPIXCELに出会ってなかったら今の自分はないなって思うし。ONEPIXCELに入って考え方も変わったんですよ。一緒にいる人に性格は似るっていうけど、本当にいい方向に変わって。
鹿沼:ななみんは明るくなったよね。
田辺:そう、暗かったから(笑)。出会ってなかったら今の私はないので、これからも一緒にいたいなと思います。何があったとしても、連絡は取っていたいなと思います。
鹿沼:友達でいような!
田辺:……。
鹿沼:なんだよ! 黙るなよ!!
傳:あはははは。私は、なんだろうな。姉でもあるし、妹でもあるし、男兄弟でもあるし、母でもあるし。「従姉妹?」って聞かれたらそうでもあるし。
鹿沼:いや、そうではないんだが!!
傳:(笑)。とにかく近い存在なんですよね。何をしてる時でも、二人のことを思うし。でも、もし、ONEPIXCELがなかったら絶対に集まらないメンバーなんですよ。クラスにいても絶対に友達にならない人だし。
田辺:絶対にならない!
鹿沼:すごい力込めて言うじゃん(笑)。確かに、私とななみんはならないね。私と傳ちゃんはあるけど。
傳:だからこそ、本当にこの3人で良かったなと思うし、もし、いつかONEPIXCELが終わってたとしても、カフェとかパン屋さんとかを3人で経営するだろうなって。
鹿沼:去年の夏に話してたね。
傳:もしも3人が別々の道になったとしても、「絶対にまた一緒に何かをやろうね」って話してて。経営は商学科を卒業してる亜美がやって、ななみは看板娘で、私が料理かな。
鹿沼:田辺さんはなんもしない。立ってるだけです。なんだかんか私が全部やることになりそう。
傳:将来的にそういうことができたらいいなと思うし、終わりたくない関係ですね。