Mrs. GREEN APPLE、壮大なステージ演出で魅せた第1章の集大成 『ARENA TOUR / エデンの園』代々木公演レポート
生命力。あるいは、人間のたくましさ。一言でいえば、Mrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)の『ARENA TOUR / エデンの園』ファイナルが開催された国立代々木競技場第一体育館において全身で感じたのは、そんな正のエネルギーだった。楽曲ごとのメッセージはもちろんあるし、そこに込められたメンバー、とりわけ作詞作曲をしている大森元貴の思いもある。だがそれが1万数千人という規模のオーディエンスの前に放たれたとき、そこに生まれるのは、とにかく生きてここで出会えたという喜びと、この先もそれは続いていくのだという確かな手応え。次々と演奏される曲たちが、カラフルに展開する舞台演出が、そして感情を開け広げにしながら観客と対峙する5人の表情が、とても美しく輝いていた。
「エデン」を想起させる天井に吊るされた草花。その草花を囲った枠が白く光ると、大森の「代々木ー!」という絶叫とともにライブはスタートした。真っ赤なライトで照らされた1曲目「インフェルノ」からステージ上には炎まで上がる。いきなりハードエッジな幕開けに、場内の空気もガツンと熱くなる。さらに続けて、今度は青をテーマカラーに「藍(あお)」。「踊れるか、代々木!」という大森の声に歓声が上がる。青いピラミッドの中で、複雑なリズムと音符の連なり、重低音が絡み合って鮮やかに世界を立ち上げていく。
最初のMCで大森はこの日のセットリストを「『太鼓の達人』で言ったらずっとコンボ」と表現していた。それは彼らのアルバムやライブすべてに共通して言えることなのだが、この日もその言葉どおり、ずっとクライマックスが続くようなライブとなった。前半のハイライトは、ループするリズムに合わせて緊張感のあるサウンドが展開する「ProPose」と、深いリバーブの効いた山中綾華のドラムとファンファーレのような若井滉斗のギターリフ、ドラマティックなメロディがスケールの大きなロマンを描き出す「Soup」。この広い空間にふさわしい大きさを持った最新作『Attitude』の曲たちが、ダイナミックに躍動する。
ステージ上にスモークが充満するなか、海賊姿のダンサーも登場して一大エンターテインメントを展開した「Viking」では大森もダンスに参加し、かと思えばその後の「クダリ」では一転して花道の先端に置かれた椅子に座った大森による弾き語りから始まる。ヒップホップのリズムを取り入れた「REVERSE」に、密度の高いバンドアンサンブルがロックアンセムとしての力を増幅させる「ナニヲナニヲ」や「Ke-Mo Sah-Bee」。目まぐるしく展開するセットのなかで、だんだんと浮かび上がってくるのはメンバー5人によるアンサンブルのタフさだ。ライブバンドとしても加速度的に進化してきた彼らの音のもつパワーが瞬く間にここを豊かな音楽の楽園へと変えていく。その様子が『Attitude』というアルバムのテーマや「エデンの園」というツアータイトルとリンクしてひとつのメッセージとして響いてくるようだ。