高畑充希、山﨑賢人ら出演映画『ヲタクに恋は難しい』、音楽的注目ポイントは? 内田真礼も歌唱の劇中歌をピックアップ
桃瀬の鬼上司・樺倉太郎を演じる斎藤工も、ダンスと歌で物語を盛り上げる。『テニスの王子様』でミュージカルを経験しているだけに、歌声が素晴らしいのはもちろん、披露したタップダンスも見事な完成度だった。映画の中盤、斎藤と高畑がデュエットソング「ダンスは魔法」で息の合ったパフォーマンスを見せる場面では、『ラ・ラ・ランド』でミア(エマ・ストーン)とセブ(ライアン・ゴズリング)がパーティーの帰り道に駐車場で歌って踊るシーンを思い出した観客も多いのではないだろうか。
そして、本作で最も注目すべきは、歌い手としても評価されている高畑の歌声だ。ミュージカル『ピーター・パン』で2007年から2012年までピーターパン役を務めていた高畑の透明感のある伸びやかな歌声は、感情が揺さぶられる不思議な魅力がある。特に、高畑がたっぷりと時間を使って「星よ教えて」を歌うシーンは、映画館にいることを忘れて、目の前でミュージカルが繰り広げられている感覚になるほどの臨場感。コメディチックな場面が多い本作だが、この時ばかりは観客が真剣な顔でスクリーンに釘づけになっていた。
また、エンディングで流れる楽曲もSNS上で話題に。どこかで聴いたことのあるメロディと〈残酷な〉というフレーズから、最初は『新世紀エヴァンゲリオン』のオープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」が流れたのかと思うが、その予想は裏切られる。似ているようで異なるパロディソング「我は地を這う」で映画を締めくくるところに、福田監督と鷺巣プロデューサーのこだわりが見えた。映画を観る際には出演者たちがそれぞれ真骨頂を発揮した楽曲にぜひ耳を傾けてみてはどうだろうか。
■苫とり子
2019年春からフリーライターに。
主にコラムやライブ・イベントのレポートを執筆しています。
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■公開情報
『ヲタクに恋は難しい』
2020年2月7日(金)
全国東宝系にてロードショー
キャスト・スタッフ:高畑充希 山﨑賢人
菜々緒 賀来賢人 今田美桜 若月佑美 / ムロツヨシ 佐藤二朗 斎藤工
原作:ふじた「ヲタクに恋は難しい」(一迅社) ※2014年から「Pixiv」にてWEB連載
監督・脚本:福田雄一
音楽:鷺巣詩郎
(C)2020映画「ヲタクに恋は難しい」製作委員会
(C)ふじた/一迅社
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