宮野真守、梶裕貴……マルチな才能をミュージカルでも発揮? 声優と舞台の関係性から読み解く

 11月から上演されるブロードウェイミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』日本語版シーズン1で、メインキャストのトニー役に人気声優の宮野真守が抜擢。また宮本亜門が演出するミュージカル『イノサンmusicale』には、アラン・ベルナール役に梶裕貴が出演。人気声優のミュージカル出演が、話題になっている。

舞台をキーに役者としてステップアップ

宮野真守『アンコール』

 現在放送中のアニメ『炎炎ノ消防隊』の新門紅丸役、公開中の『劇場版 Free!-Road to the World-夢』の松岡凛役の声優、7月26日公開の映画『ペット2』のセルゲイ役の吹き替えなど。数多くの人気作に出演する宮野真守は、劇団ひまわりに所属し、子役からキャリアをスタートさせた。声優は声の演技であると位置づけ、声優として活躍する一方で、俳優としてミュージカルや舞台などに、コンスタントに出演してきた。『KREVAの新しい音楽劇 最高はひとつじゃない』では見事なラップを披露。昨年は劇団☆新感線による『髑髏城の七人Season月 <下弦の月>』で、これまで古田新太、小栗旬、阿部サダヲらが務めてきた捨之介を演じた。福士蒼汰とのW主演で、個性の強い役者陣を相手に堂々とした演技で話題を集めた。

 またアーティスト活動においては、歌だけでなくキレのあるダンスパフォーマンスも披露している。ダンサーとの息の合った、ダイナミックパフォーマンスは、彼のライブの見どころのひとつだ。ライブ中の映像でも、これまでにコントやチャップリンのような無声映画にチャレンジしており、そこからも器用さや変幻自在ぶりがうかがえた。『ウエスト・サイド・ストーリー』と言えばダンスシーンも見どころで、歌・演技・ダンスという3つを兼ね備えた宮野は、打って付けの存在だろう。この役によってエンターテイナーとしての階段を、また一段上ることが期待されている。

 そんな宮野と同じく注目を集めているのが、アニメ『進撃の巨人』のエレン・イェガー役や、『からかい上手の高木さん』の西片役などで人気の声優・梶裕貴だ。彼もまた声優業と並行して、声優の鈴村健一が総合プロデューサーを務める即興舞台劇『AD-LIVE』など、多くの舞台に立っている。昨年は朗読劇シリーズ「恋を読む」の第一弾『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』に出演し、10月にはその第二弾『恋を読むvol.2「逃げるは恥だが役に立つ」』への出演が決まっている。

 今回の『イノサンmusicale』は、梶にとって人生初のミュージカルとなる。これまで舞台は朗読劇が多かったものの、キャラクターソングユニットへの参加が多く歌の経験は豊富。ダンスに対する可能性は未知数だが、それをのびしろに変えていけるだけの器用さを持っていることも確かだ。このアラン・ベルナール役によって、舞台役者としてひとつ跳ねることが期待されている。

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