Burial、Squarepusher、田中フミヤ、DÉ DÉ MOUSE……小野島大が選ぶエレクトロニックな新譜11選

Quirke『Steal A Golden Hail』

 The xxやFKAツイッグス、サンファなどを輩出した<Young Turks>傘下のベース〜実験ダンスレーベル<Whities>から発表された、ロンドン在住のクアーク(Quirke)の1stアルバムが『Steal A Golden Hail』(Whities)。強烈なノイズ〜ブレイクビーツをシネマティックなアンビエント音響がそっと包み込み、クラシカルなピアノと叙情的なシンセをミクスチュアした非常に魅力的な1枚。奥行きのある立体的な音像も素晴らしい。坂本龍一やアンビエント時代のAphex Twinのファンにもお勧めできるディープでスピリチュアルな作品です。バイナルは限定500枚プレスの特殊ジャケ。

Quirke - Spinhaunt Coil
Konduku『White Heron』

 オランダはロッテルダム拠点のコンドゥク(Konduku)の2ndアルバムが『White Heron』(Nous'klaer Audio)。ダビーでアンビエントでトライバルなディープテクノ〜テックハウスを展開。ファンキーで凝ったリズムアレンジと浮遊するアンビエントなシンセで構成されたミニマルで無愛想なテクノですが、クリアで骨太な音像、腰にくるビート、深く潜る重低音がとにかく気持ち良く、研ぎ澄まされた音響アートとして素晴らしく秀逸な作品です。音のいいクラブで浴びるように体験したいところですが、Amazon Music HDでロスレス音源が聴けるので、ご家庭でも大音量でぜひ。

Konduku - White Heron
Audio Werner『On A Different Note』

 ドイツのディープ〜ミニマルハウスの気鋭オーディオ・ワーナー(Audio Werner)の1stアルバム『On A Different Note』(Sushitech)。ファンキーでグルービー、時にトライバルなダンスビートと、ダビーでクールな上モノのバランスが非常に良く、アレンジや音色の作り方にセンスを感じます。小バコが似合いそうなモダンエレクトロニックダンスミュージックの魅力が凝縮されています。高揚と陶酔、静謐と熱狂が交互に訪れるバイナルのみのリリース。

Audio Werner - Ohne (Sushitech Records)
Karim Sahraoui『Faith』

 Djinxxをはじめさまざまな名義で活動してきたフランスのベテランDJ/プロデューサーのカリム・サラウィ(Karim Sahraoui)の新作『Faith』は福岡のレーベル<Blue Arts Music>から。デリック・メイとの交流が物語る、ジャジーでソウルフルでエモーショナルな正統のデトロイトテクノをたっぷり聴かせてくれます。オールドスクールでオーセンティックなスタイルですが、非常にクオリティは高く、お好きな方は絶対満足するはず。ピアノをフィーチャーしたドラマティックでロマンティックな「Brotherhood」が白眉です。

Brotherhood
Karim Sahraoui - Faith

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