Juice=Juiceが「ひとそれ」で首位獲得 BEYOOOOONDSも躍進見せた『2019年度ハロプロ楽曲大賞』

楽曲部門4位~

 以下はグループ別に見ていこう。

モーニング娘。'19

 2019年のモーニング娘。'19は、3月リリースのベストアルバムに収録の4曲、6月リリースのシングルからの2曲、計6曲のみというノミネート数の少なさだったが、その6曲すべてが50位以上に入るという強さを見せた。

 両A面シングルだった『人生Blues / 青春Night』は、それぞれ7位と4位をマーク。ハロプロ楽曲の定番アレンジであるディスコファンク調の「青春Night」のほうがより高い支持を集める結果となった。ベストアルバム収録曲のうち、新曲2曲の「I surrender 愛されど愛」「恋してみたくて」も8位・9位と上位で、トップ10内の4曲をモーニング娘。'19が占めた。

モーニング娘。'19『青春Night』(Morning Musume。'19 [The Youthful Night])(Promotion Edit)

アンジュルム

 前回のハロプロ楽曲大賞'18では「46億年LOVE」が見事1位に輝いたアンジュルムだったが、今回のグループ最高位は5位の「赤いイヤホン」。作詞作曲:星部ショウ、編曲:大久保薫によるクールなEDMサウンドは、アンジュルムの強さ/凛々しさを体現したかのような一曲で、アルバム曲にもかかわらずシングル曲をはねのけてのグループ最高位となった。

 和田彩花卒業直前にリリースされたアルバム『輪廻転生 ~ANGERME Past, Present & Future~』は充実作で、ここからのアルバム用新曲は数多くランクインしている。12位「人生、すなわちパンタ・レイ」、22位「いとし いとしと Say My Heart」、29位「帰りたくないな。」など。アンジュルムは2019年に2枚のシングルを発売したが、そこからの楽曲での最高位は「全然起き上がれないSUNDAY」の13位。

【ハロ!ステ#289】アンジュルムLIVE!、ハロー!キッチン、ハロプロ研修生紹介Movie、Juice=Juice最新MV公開! MC:和田彩花&太田遥香・伊勢鈴蘭

Juice=Juice

 1位に輝いた「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」のほか、10位には「微炭酸」がランクイン。「ひとそれ」の6月に先駆けて2月にリリースされたシングル曲だが、作曲編曲はKOUGAで、作詞は「ひとそれ」と同じ山崎あおい。この曲で山崎あおいの歌詞世界が一旦リスナーに浸透したことも、「ひとそれ」のヒットの一要因だったのかもしれない。

 Juice=Juiceは1年のうちに2人の卒業者を出したが、梁川奈々美の卒業曲「Good bye & Good luck!」は47位、宮崎由加の卒業曲「25歳永遠説」は20位を記録した。

 メンバーの宮本佳林は、グループに在籍しながらのソロライブ開催を実現させたが、そのライブ用に作られて配信リリースもされた楽曲「どうして僕らにはやる気がないのか」は43位だった。

Juice=Juice『微炭酸』(Juice=Juice[Lightly Sparkling])(Promotion Edit)

カントリー・ガールズ

 昨年12月で活動休止に入ったカントリー・ガールズだが、ラスト配信シングル「One Summer Night ~真夏の決心~」は15位でグループ最高位に。そのc/w曲だった「夏色のパレット」は32位だった。

 Juice=Juiceと兼任だった梁川奈々美の、カントリーにおいての卒業曲「弱気女子退部届」は19位。〈わたし、やめます!〉というサビの歌詞がインパクト大だが、この曲の作詞は児玉雨子。前述の「25歳永遠説」も同女史によるもので、2019年も雨子メソッドの効いた楽曲が多数発表された。

カントリー・ガールズ『One Summer Night ~真夏の決心~』(Country Girls [One Summer Night -midsummer decision-]) (MV)]

こぶしファクトリー

 こぶしファクトリーのグループ最高位は、アルバム『辛夷第二幕』収録曲「消せやしないキモチ」の11位。ライブでは以前から披露されていたモータウン調のポップな楽曲だ。シングル曲では「ハルウララ」が16位をマークしており、しっとりとした曲調のこぶし版桜ソングといった趣き。2曲ともこぶしファクトリーのパブリックイメージである力強さ/アッパーさとは少し異なっており、別の良さが出た楽曲が支持を集めた形だ。

 アルバムには新曲が多数収録されていたが、そのうちの5曲はメンバー5人それぞれをフィーチャーした曲となっている。それらの順位を見てみると、33位「開き直っちゃえ!」、34位「好きかもしれない」、35位「明日の私は今日より綺麗」、38位「アンラッキーの事情」と、30位台に固まっているのが面白い。そこから頭一つ抜けて24位だったのは、広瀬彩海メイン曲の「Come with me」。これもジャジーな曲調がこぶしにとって新境地なサウンドだった。

【ハロ!ステ#303】Hello! Project 2019 こぶしファクトリー LIVE、キッチン、Juice=Juice OTODAMA、カントリー・ガールズ新MV! MC:植村あかり&森戸知沙希

つばきファクトリー

 2019年のつばきファクトリーは、演劇サントラを除けば、CDシングル1作と配信シングル1作のみというノミネート数の少なさだった。そこから上位50位以内に入ったのは、14位「ふわり、恋時計」と17位「三回目のデート神話」。どちらも10位台に入ったのは立派だが、50位内に8曲を送り込んだ2018年の名曲ラッシュに比べると、いささか寂しいと言わざるを得ない。

 「ふわり、恋時計」も、前述のこぶしファクトリー「ハルウララ」と同傾向のバラード曲で、これがグループ最高位となった。「三回目のデート神話」は、2018年第2位だった「今夜だけ浮かれたかった」と同じ作家陣(作詞:児玉雨子、作曲:中島卓偉、編曲:炭竃智弘)によるアッパー曲だったが、「今夜だけ~」ほどの評価は得られなかったようだ。

つばきファクトリー『ふわり、恋時計』(Camellia Factory[Softly, the clock of love.])(Promotion Edit)

BEYOOOOONDS

 BEYOOOOONDSが2019年に躍進したのは、メジャーデビューシングルの強さもあるが、そこをさらに後押ししたのは11月発売のアルバム『BEYOOOOOND1St』の完成度の高さだろう。ここからは4曲がトップ50入りしており、アルバム曲最高位は「元年バンジージャンプ」の18位。同曲はBEYOOOOONDS楽曲を多数手がけている星部ショウが、作詞作曲のみならず編曲まで担当している。これもまたディスコファンク調で、「赤羽橋ファンク」の系譜に新たな一曲が追加された感がある。他のアルバム曲では「アツイ!」が26位、「恋愛奉行」が41位、「恋のおスウィング」が48位。

 BEYOOOOONDSには名前のあるグループ内ユニットが2つ、名前の無いユニットが1つあり、名無しユニットの楽曲「We Need a Name!」(平井美葉、小林萌花、里吉うたの)は49位にランクイン。ほか2つのうち、雨ノ森 川海「GIRL ZONE」は30位で、CHICA#TETSUは「都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて」「高輪ゲートウェイ駅ができる頃には」の2曲がそれぞれ6位・31位。ユニットで一番評価されたのはCHICA#TETSUという結果となった。

 CHICA#TETSUのこの2曲はどちらも電車をテーマとした楽曲で、編曲に清水信之を迎えているのがポイント。ハロプロ楽曲初登板となる清水は、1980年代から現在まで数々のシティポップ/シンセポップ名曲のアレンジを手がけているベテラン。氏の力添えもあって、特に「都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて」のほうはアイドルポップスの真髄といえる可愛らしいサウンドに仕上がっており、高順位も納得だ。

【ハロ!ステ#321】BEYOOOOONDS & カントリー・ガールズ LIVE映像!モーニング娘。'20 最新ミュージックビデオ2本連続公開! MC:船木結&橋迫鈴

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