嵐にとって2020年は特別な1年にーー『嵐ツボ』『VS嵐』が生む“みんなが笑顔で過ごす仲睦まじい時間”

 また特番の、もう一つの目玉となるのが、ババ抜きで闘う「BABA嵐」。仲間由紀恵や寺島進などが豪華俳優陣が続々と登場し、シンプルなゲームに一喜一憂する姿が見られるのも、この番組ならでは。今回は、木村拓哉も参戦し、ゆりあんレトリィバァと心理戦を繰り広げるという。

 ちなみに先日、木村が主演したスペシャルドラマ『教場』の完成披露試写会では、この「BABA嵐」で、ゆりやんレトリィバァから「木村さん、コンビニいかはるんですか?」と聞かれたと、声色をモノマネしながら明かしていた木村。そんなエピソードからも、真剣勝負でありながら、番組の和やかな雰囲気が伝わってくる。

 この誰もがやさしい気持ちになる和やかな空気こそ、私たちが新春に求めているもの。だからこそ、これほど年末年始に嵐の特番が好評なのだろう。ご存知の通り、嵐は今年の12月31日をもって活動を休止する。その発表に、多くの人が打ちひしがれたのは、彼らに投影してきた“みんなが笑顔で過ごす仲睦まじい時間”そのものが遠くに行ってしまうような感覚に陥ったからかもしれない。

 だが、彼らはその結論を発表してもなお、より一層笑顔が絶えないグループとして私たちを安心させてくれている。1月1日にオンエアされた『嵐にしやがれ元日スペシャル』(日本テレビ系)では、相葉が大野に「俺らとしてもすげー大事な年。(2020年12月31日まで)走りきりました、どうするの?」と率直に問いかけるシーンがあった。「どうしようかな」と困ったように笑う大野の口からは、「急に会わなくなるの寂しい」という言葉が溢れる。そんな大野に「2021年1月1日、飲み行こうよ! 5人で飲みたいね」とくしゃくしゃに笑うのだった。

 もしかしたら、次の年末年始は5人だけの“こたつDE嵐”が開催されるかもしれない。そこでは今年の思い出話に華が咲き、彼らだけのランキングで盛り上がり、ババ抜きだって行なわれるかも。そんなことを想像させ、つい微笑んでしまうのも、嵐ならでは。相葉が言ったように、今年は嵐にとって特別な1年となる。その一つひとつの思い出をしっかり刻みつけるべく、まずは今夜の特番からじっくりと楽しみたい。

(文=佐藤結衣)

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