大原ゆい子×高橋李依、ファンと共に『からかい上手の高木さん』への愛を共有したスペシャルライブをレポート
高橋李依とファンが“高木さん愛”を共有
「高木さ〜ん」との呼びかけに、「は〜い。そんなに私に会いたかったんだ〜!」と、高木さんになりきって登場した高橋は、人気の高木さんナンバーで観客を熱く盛り上げた。「小さな恋のうた」では、アッパーのサウンドに会場も「オイ! オイ!」と声を上げて一体に。高橋が「ハイ!」と言って客席にマイクを向けると、サビを観客が大合唱した。また「STARS」は、一転しっとりとしたムードで聴かせる。「あの時の空気を思い出して聴いて欲しい。隣で歌うような気持ちで歌います」と高橋。胸に手を当てながら遠くを見つめるようにして歌い、透明感のある歌声で観客を魅了した。
高橋はMCで、レコーディングのエピソードなどを披露し“高木さん愛”溢れるトークでも楽しませた。例えば大原が『言わないけどね。』のカップリングに収録した「旅立ちの風」を歌ったところでは、「生で聴けて感動しました。高木さんが中3だったら……など、今後を妄想させてくれる」と、大原の歌声に感動しきり。また「キセキ」をレコーディングした時は、〈これから先も何十年〉という歌詞に感動して、「テストで泣きそうになった」というエピソードも披露してくれた。
スペシャルだったのは、クリスマスにちなんだ楽曲を歌った二人のコラボ。この日限定の高木さんナンバーで、集まった観客を喜ばせた。前半にはSPEEDのカバー「White Love」を。会場には、白いペンライトの光が広がり、まるで雪景色のよう。エモーショナルに歌い上げる原曲を、気持ちよさそうに歌う二人に、会場からは大きな拍手が沸き起こった。この曲は、「高木さんの声に合うキーはどこだろう」と苦心しながら選んだそう。「高木さんのカラオケのレパートリーに入っていてくれたら嬉しいな」と高橋。後半には松任谷由実「恋人はサンタクロース」のカバーが披露され、歌詞に合わせてプレゼントを抱えて歩くポーズを取ったり、ギターを弾くマネをしたりと楽しそうな二人。観客も手拍子で盛り上げ、二人に続けて〈サンタクロース〉と歌うなど、会場は一足早いクリスマスを楽しんだ。
『からかい上手の高木さん』の魅力は、誰もが経験のある恋模様を描いた既視感だけに限らない。キャラクターの気持ちの裏の裏まで考え抜いて演じた、愛情溢れる声優の演技。そして、それを絶妙なスタンスから彩った楽曲もそう。この日のようにアニメ放送終了後も人気が衰えず、むしろ話題が増しているのは、そうした様々な要素が折り重なってこそだろう。世代を問わず時を選ばず、見る者をニヤキュンさせる『高木さん』。「まだまだ続くと信じています!」という高橋の言葉を信じたい、観客の誰もがそう思っただろう。
■榑林史章
「THE BEST☆HIT」を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、インタビュー本数は延べ4,000本。現在は日本工学院で講師も務める。