GENERATIONS×☆Taku Takahashi特別対談 新曲「One in a Million -奇跡の夜に-」の音楽的挑戦

GENERATIONS×☆Taku Takahashi特別対談

 GENERATIONS from EXILE TRIBEの2年4カ月ぶり、5枚目となるアルバム『SHONEN CHRONICLE』は、様々な音楽的挑戦に満ちた意欲作だ。中でも、☆Taku Takahashi(m-flo, block.fm)がトラックメイキングを行った「One in a Million -奇跡の夜に-」は、☆Taku Takahashiが得意とする2ステップ/UKガラージをベースとした新感覚のポップスに仕上がり、GENERATIONSとしてもこれまでにないタイプの楽曲となった。同曲を制作するに当たって、どのような工夫が凝らされたのか。リーダーの白濱亜嵐、ボーカルの片寄涼太と数原龍友の3人と☆Taku Takahashiが、制作の裏側とGENERATIONSならではの表現の可能性について語りあった。(編集部)

☆Taku「GENERATIONSなら自然とものにできると思いました」

☆Taku Takahashi(m-flo, block.fm)

ーーアルバム『SHONEN CHRONICLE』に収録された新曲「One in a Million -奇跡の夜に-」では、GENERATIONSと☆Taku Takahashiさんが初のコラボレーションを果たしています。まずは☆Takuさん、GENERATIONSにどんな印象を抱いていたかを教えてください。

☆Taku:GENERATIONSは、EXILE TRIBEの中でも、これまでとはまた少し違った方向にアプローチができる最初のグループだという印象です。EXILEや三代目 J SOUL BROTHERSと同じく、とてもストイックなグループですが、各メンバーの個性に独特なところがあって、お茶の間に進出するタレントとしての才能があるメンバーや、ファッションやアートに詳しいメンバー、国内外のクラブシーンにまでアンテナを張っているメンバーがいたりと、それぞれにいろんな引き出しがあります。そういう多面的な魅力が、音楽性やパフォーマンスにも表れていると思います。

ーー「One in a Million -奇跡の夜に-」のトラックはどのように作ったのでしょうか。

☆Taku:映画『午前0時、キスしに来てよ』の主題歌ということで、まず「ハッピー」や「シンデレラ」というキーワードをもらいました。そのキーワードを活かしつつ、GENERATIONSの新たな一面を引き出そうと考えたら、すぐに楽曲のアイデアが浮かびました。具体的には、m-floの「come again」のように、2ステップ/UKガラージを下敷きにしつつ、現代的なトラックになるように仕上げました。それでGENERATIONSの制作チームに「こんな感じでどうですか?」と提案したら、「そう、こういう感じです!」と受け入れてもらって。日本では、2ステップ/UKガラージをポップスに落とし込むのは珍しいケースだと思うのですが、GENERATIONSなら自然とものにできると思いましたし、実際、2人のボーカルもうまくハマりました。

片寄涼太

片寄:トラックを初めて聴いたとき、「☆Takuさんサウンドだ!」と率直に感じました。僕はm-floが大好きなので、☆TakuさんのサウンドにGENERATIONSとして関わらせてもらえること自体がすごく嬉しかったです。歌詞が乗ったメロディラインも聴けば聴くほどクセになるし、普通にポップスとして歌うなら照れ臭くなってしまうような歌詞も、☆Takuさんのおしゃれなサウンドだからこそ歌えてしまいます。おとぎ話のような世界観だと思うんですけど、そのキラキラ感は歌詞だけじゃなくて☆Takuさんのトラックからも感じることができます。そこのバランスが絶妙だと思いました。

☆Taku:片寄くんのボーカルは、すごく繊細で泣かせるところが好きです。

片寄:ありがとうございます! 今回、久しぶりに龍友君と歌い分けを相談したんです。サビはフックが2回続く形になっているので、「サビを大きく分けよう」と2人で決めました。お互いの色がしっかり出せたと思います。全体的にトラックが跳ねて粒が細かい感じになっているので、ボーカルもそこに乗っていくようなイメージで歌っていましたが、その分、Dメロの部分はエモーショナルに歌うように心がけました。

☆Taku:一方で数原くんは、倍音の出方が素晴らしくて、声に深みがあるのが魅力的だと思います。

数原:そうおっしゃっていただき、すごく嬉しいです。僕は初めてトラックを聴かせていただいた時に「GENERATIONSには今までになかった曲だな」と感じました。爽やかさもありつつ、みんなのパフォーマンスもイメージできて、ボーカルが立つ部分もしっかりあって。歌入れがすごく楽しみな曲でした。今回、一番意識したのは「歌を聴かせる」というより「聴いてくれる人が乗れる」という部分です。リズムに置いていかれないように、自分もトラックの一部になるイメージで歌いました。感情的に歌うところとの対比が面白くなっていると思います。歌詞に関しては、映画のストーリーを匂わせる「シンデレラ」などが入っていて、僕のパートで「靴」が出てくるんです。〈君に似合う 靴を見つけ〉という歌詞なんですが、シンデレラというワードがなくてもその物語や「ガラスの靴」を想像できるし、そのあたりがとてもおしゃれだと思いました。

ーーEDM的なビルドアップがありつつ、ドロップで音を抜くという、J-POPでは珍しい構成になっているのもポイントだと思いました。

☆Taku:サビはあるんだけれど、サビへの持っていき方が普通の日本のポップスとは違います。でも、リスナーの方は自然に聴いて楽しめる楽曲になっていると思います。サビというと音がたくさん集まって、ドーンと盛り上がるような曲が多いけれど、そうでなくてはならないという理由はないし、多くのリスナーの方は楽曲全体のムードや歌詞の内容に共感する部分も大きいので、綺麗で気持ちのいいコードがあれば、リズムで遊んでもちゃんと楽しめるのかなと。リスナーのみなさんに楽しんでいただけるポップスであるという部分は大事にしつつ、どこかで新鮮さを感じて「音楽って楽しいな」と思っていただけたら嬉しいです。

白濱:サビで音を抜くところがすごく気持ちよかったです。それと、ドロップの部分にサビと全く同じトップラインを持ってきているというのも新鮮でした。同じトップラインを何度も使っているけれど、だからこそビートの不規則さが際立っていて、聴いていて飽きない仕上がりなのかなと思います。

☆Taku:今回のトップラインはCREAMのMinamiが書いているんです。彼女の書くトップラインはGENERATIONSの楽曲にきっとハマると思っていたんですけれど、やはりぴったりでした。LDHでは昔から海外の制作方法をすごくよく研究していて、何度もアメリカや韓国の制作現場を視察しては、いち早くその方法論を取り入れています。今回のように、トップラインとトラックメイカーが共作するやり方もそうですし、アーティスト自身が制作に参加してチームで作っていくのもそうです。より良いエンタテインメントを作るにはどうすれば良いか、世界では何が起こっているのか、それを日本でやるにはどうすれば良いのか、どうすれば人を喜ばせられるか、聴いてくれる人を感動させられるか、ということを常に模索しています。そういうチャレンジ精神はGENERATIONSにももちろんあって、だからこそ僕らも期待しています。亜嵐くんは先日、僕に自分で作ったテクノのトラックを送ってくれたけれど、すでに現場で使えるレベルの仕上がりで驚きました。いずれは亜嵐くんがトラックを作って、メンバーがパフォーマンスをするということもできそうですね。

片寄:亜嵐くんは、今回の楽曲の最後に四つ打ちになる展開でテンション上がっていましたよね?

白濱:あれにはやられました! キックとスネアで不規則なリズムが続くので、乗るのが難しいタイプの楽曲なんですけれど、後半の四つ打ちを聴いて「この曲はやはりダンスミュージックなんだな」と感じました。☆Takuさんにテクノのトラックをお送りさせていただいたように、個人的に四つ打ちにハマっているので、この展開は楽しかったです。いずれは☆Takuさんがおっしゃるように、トラックメイキングでGENERATIONSに貢献できたらなと思います。

☆Taku:GENERATIONSは亜嵐くんもそうだけれど、メンバー全員に「自分たちで作れるものはどんどん作ろう、いろんなものを発信していこう」という強い意志を感じます。実は、m-floと初代J SOUL BROTHERSはrhythm zoneの同期なんですけれど、当時から彼らには今のGENERATIONSに通じる姿勢がありました。その積み重ねがあって、今、GENERATIONSがこうして様々なことに挑戦しているのだと思うと、本当に素晴らしいと感じます。アーティストとクリエイターがディスカッションしながら一体となって進めていく制作の仕方には大きな可能性があるし、GENERATIONSはそれができるグループなんだと、今回改めて思いました。

片寄:ありがとうございます。制作現場では僕たちの意見を反映していただくことも多く、風通しは良いです。今回の楽曲でも、ラストサビの2回し目とかは「龍友君がフェイクしたほうがいいですよね」と相談して、龍友君自身が考えたメロディラインでフェイクを作ったりもしました。チームで一緒に楽曲を作っているという感覚がありますし、その分、楽曲への思い入れも強くなります。

数原:レコーディングも、いい意味ですごくラフな姿勢でできました。「同じサビでも変化があったほうがいいかもしれません」と言ったら、すぐにそれに合わせて作り変えていただいたり、試しに歌い方を変えてみたら、それがOKテイクになったり。制作チームの方と一緒に作っていくのは、僕らにとっても刺激的で勉強にもなるので、こういう機会があったらまたぜひ一緒にやらせて頂きたいなと思いました。

白濱:今回、☆Takuさんとコラボレーションさせていただいたことで、音楽的な意味でもGENERATIONSの可能性が広がったと思います。ぜひまたご一緒したいです。

GENERATIONS from EXILE TRIBE / One in a Million -奇跡の夜に- (Music Video)

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