モーニング娘。’19の魅力は「優しさ」にあるーー“幸福を生む場所”で迎えたツアーファイナルを見て

モーニング娘。’19、代々木第一体育館レポ

 12月5日、モーニング娘。’19の単独公演『モーニング娘。’19 コンサートツアー秋 ~KOKORO&KARADA~FINAL』が、東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催された。6月に15期メンバー3名が加わり、新体制で挑んだツアーのファイナル公演。ツアーを通して作り上げてきた、最新のモーニング娘。’19の姿を一目見ようと、1万1千人のファンが会場に集まった。

 ライブは2020年1月22日に発売される新曲「KOKORO&KARADA」からスタート。EDMのアップテンポなリズムにピアノの繊細な音色が重なる、幻想的な雰囲気のこの曲。なんといっても見どころは、譜久村聖、佐藤優樹、小田さくらがそれぞれ担うサビのファルセットだろう。大きな会場に響き渡るきれいなソプラノボイスに、思わず息を飲んだ。

 そのまま「人生Blues」「負ける気しない 今夜の勝負」「青春Say A-HA」と立て続けに3曲をパフォーマンス。14人という大人数を活かした迫力のフォーメーションダンスを見せつけた後は、ファンとのコール&レスポンスで盛り上がるキラーチューン「わがまま 気のまま 愛のジョーク」で会場の雰囲気を一つにする。

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 冒頭からハイクオリティなパフォーマンスを披露する彼女たち。よく「ハロー!プロジェクトのアイドルはパフォーマンススキルが高い」と評する声も聞くが、そう言いたくなる気持ちもわかる。ライブを見ていて特に印象的だったのは、モニターに抜かれる表情が流し目でキリッと見据える“キメ顔”である点だ。そこには彼女たちの「私たちの磨かれたパフォーマンスを存分に見てくれ」という強い意志を感じる。

 一方で、新人メンバーの初々しさも良い。モーニング娘。には、代々その年の新人だけで歌い継いできた「好きな先輩」というユニットソングがある。今回もそれを15期の3人が披露したのだが、それが三者三様に愛くるしいのだ。

(左から)山﨑愛生、岡村ほまれ、北川莉央

 もともとハロプロ研修生として活動していた山﨑愛生は、さすがの貫禄。他の同期よりも少し余裕があるのか、溌剌とした笑顔を客席に向けながら歌う姿が印象的だった。キッズモデルとして芸能経験があった岡村ほまれも、まだ幼さの残る大きな瞳をキリッとさせながら踊る。モーニング娘。’19に入るまで芸能経験がなかった北川莉央は、そんな二人に比べるとやや表情がぎこちない。だけど、一生懸命に先輩や芸能経験のある同期に食らいついて踊る姿が微笑ましく、思わず応援したくなってしまう。

 最年長の譜久村は23歳でモーニング娘。歴も約9年。一方、15期メンバーは平均年齢14.5歳で加入してまだ半年。こんなに年齢もキャリアも差のあるメンバーが、同じグループで活動している。これが、卒業と加入を繰り返して続いてきたモーニング娘。の面白さだろう。

 佐藤と野中美希のピアノ連弾でメンバーが歌い上げる壮大なバラード「雨の降らない星では愛せないだろう?」、2001年に発売され大ヒットとなった「ザ☆ピ〜ス!」を歌った後は、全員でのMCがスタート。ピアノ演奏の前、ステージ裏で緊張していた佐藤と野中を、それぞれ同期の石田亜佑美、羽賀朱音が励ましていたという微笑ましいエピソードで会場の雰囲気も和やかに。

(左から)野中美希、佐藤優樹

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