ビッケブランカ、人気の秘訣は? 変幻自在の楽曲とトークスキルの高さが生むギャップから考察

ビッケブランカ、人気の秘訣は? 変幻自在の楽曲とトークスキルの高さが生むギャップから考察

 昨年、アニメ『ブラッククローバー』第3クールオープニングテーマ「Black Rover」がヒットした他、ドラマ『獣になれない私たち』(日本テレビ系)挿入歌「まっしろ」が、大きな話題となったビッケブランカ。今年もアニメ『フルーツバスケット』のエンディングテーマに「Lucky Ending」、音楽ストリーミング配信アプリSpotifyのCMソングに「Ca Va?」が起用。12月4日には、3カ月連続デジタルリリースの第1弾として「白熊」をリリースした。人気の秘訣は、ジャンルレスな作風とライブMCでも発揮するトークスキルの高さだ。

三種の神器で変幻自在に生み出す楽曲

 ピアノ、ファルセットボーカル、コーラスが、ビッケブランカの三種の神器だ。打ち鳴らすように弾くピアノのプレイスタイルは、ベン・フォールズからの影響が大きい。例えば「Black Rover」は、エレキギターなどによるロックサウンドと合わさっても、まったく引けを取らない。

 ロックとピアノの融合は、『ブラッククローバー』の激しいバトルシーンとも重なったと思いきや一転、「WALK」や「Lucky Ending」は、イントロからまるでピアノ練習曲のようなシンプルなフレーズなど幅広いメロディが特徴的だ。

 ビッケブランカがピアノを始めたのは21歳。幼少期からクラシックピアノを習っている人なら、もっとテクニカルなイントロを弾きそうだが、そうではないからこそ、こういう無垢的なフレーズを自然に弾くことが出来るのだろう。

 また、トリッキーな音作りで驚かせてくれたのは、フランス語で「元気?」という意味を指す楽曲「Ca Va?」だ。ピアノとハーモニーで静かに、まるでクイーンのような雰囲気で始まるのだが、サビには〈Ca Va? Ca Va?〉と繰り返す、力強く印象的でありつつも、まるで天の声が降ってくるかのようなボーカルがお茶目で魅力的だ。

 このサビではファルセットのボーカルが効果的に使われている、ファルセットを使用することは、つまり使える音域が広がるということ。デスクが広ければたくさん物が置けたり、いろんな作業が出来るようになるのと同じで、メロディの自由度が広がるのだ。

 そんな音作りが特に印象的なのが「まっしろ」だ。サビの最後はのミックスボイスを使い流れるように高音まで駆け上がるなど、他のアーティストには書けないメロディを生み出すことができるのも彼の魅力を増幅させているひとつと言える。

ビッケブランカ / 『Ca Va?』(official music video)

 またコーラスという視点では、何重にも重ねることにより、曲へ様々な効果を生んでいる。例えば「Lucky Ending」のサビでは、まるで聖歌隊のような神々しさ。「Ca Va?」では、力強さを表現。「まっしろ」は声を減らしていくことにより、孤独感を上手く表現した。

 ビッケブランカは何人いるのか? と思うほどのバラエティに富んだ楽曲群。それは強弱や硬軟を自在に操るピアノ、メロディの幅を広げて自由度を増すファルセットボーカル、オケ以上に曲にドラマ性を与えるコーラスという、この3つを使いこなすことで生まれている。

ビッケブランカ / 『白熊』(official music video)

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