FUKI、リアルな恋愛観を表現した“お揃い”の一曲 「LOVE and CRY」インタビュー

FUKI「LOVE and CRY」インタビュー

一緒に泣いてくれたら最高です 

ーーメロディはかなりキーの高い部分が多いですよね。

FUKI:はい。いつもはところどころで裏声を使うことが多いけど、この曲のサビはほとんど裏声ですからね。冬にマッチするせつなさとインパクトを出せるように、裏声と地声が絶妙に混ざり合うところを探って、いろんなキーを試しました。最初はもうちょっと低かったんだけど、結果ひとつ上のキーになりましたね。今回はAメロもけっこう高めなので、レコーディングは大変で。自分で決めておきながら、「キー高っ!」みたいな(笑)。

ーー歌詞の世界観と相まって、本当にせつなさが出たボーカルだと思います。

FUKI:Bメロをちょっと低めのキーで力強く歌ったことで、Aメロの凍えそうなせつなさがより引き立つようになったと思うし、サビでそのせつなさがさらに広がっていく感じも表現できたような気がします。ちょっとかすれた裏声も、この曲には合ってるんじゃないかなって思いますね。

ーーアレンジも冬の景色、空気感が似合う感じ。

FUKI:いつもはだいたいピアノのデモで歌入れをすることが多いんですけど、今回はある程度のアレンジがすでにできていたんですよ。だからキーの高さで苦労しつつも、いつも以上に曲の世界観をイメージしながら歌えた部分もありましたね。ただ、その段階ではまだベルの音が入っていなかったので、そこは歌入れの後にしっかりリクエストしました。「ベルを入れてください!」と。

ーー確かにベルの音が入ると一気に冬の雰囲気になりますもんね。

FUKI:そうそう。冬と言えばラブソング、冬のラブソングと言えばベルですからね(笑)。結果、せつないけどゴージャスな雰囲気もあるサウンドになって。すごく気に入ってます。

ーー落ちサビ前の間奏も効いてますよね。

FUKI:ちょっとサウンドが盛り上がるところですよね。確かにあそこでちょっと気持ちを盛り上げることで、その後の落ちサビがよりグッとくる流れになってると思います。そういえばあの間奏も歌のレコーディングの段階ではついてなかったんですよ。だから完成形を聴いたときに私も「お!」と思いました。さらに冬感が増したようにも思えたし。私が最初に思い描いていた、思いが届かない片想いのせつなさは、歌詞とサウンドでしっかり全部詰め込めましたね。

ーーファンの方々からの反響も届いてます?

FUKI:「今回もいい曲だねー」っていううれしい感想とともに、この曲で私が伝えたかった思いをちゃんと受け取ってくださっている方が多いですね。あとはやっぱりベルの音に注目をしている方が多いかな。「もう冬だねー」「クリスマスっぽいねー」みたいな。いやいやクリスマスの曲は来月ちゃんとありますから、みたいな(笑)。

ーーそうですよね(笑)。それを楽しみに待ちつつ、片想いしてる人はこの曲でせつなさにどっぷり浸るのがオススメかなと。

FUKI:はい。あまり人に言えないようなせつない感情が高まったときは、音楽に身を寄せてみるのがいいと思うんですよね。私自身、そういうときはいろんな曲に勇気をもらっていたので、この「LOVE and CRY」もみなさんにとってのそんな曲になったらいいなと。この曲で相手への好きという思いを噛み締め、一緒に泣いてくれたら最高です。

ーーで、その先の展開に合わせてまたFUKIさんの曲に身を委ねていくのもいいかなと。告白しようと決意できたなら「オリオン」を聴けばいいし。いろいろなタイプのラブソングが用意されているわけですから。

FUKI:あー、そうかそうか。いいですね、その使い方。ぜひそうしてください(笑)。

FUKI - オリオン (Music Video)

ーーでは次回の予告をお願いします。先ほどお話に出たように、来月は12月24日“クリスマスイブ”をテーマにした楽曲です。

FUKI:ヤバい、本番がついに来る(笑)。

ーーラブソングを作る上で、クリスマスはやはり本番という感覚ですか(笑)。

FUKI:そうですね。もちろんどれも本気で作ってはいますが、感覚的には次が本番な気がします(笑)。実は先日レコーディングしたばかりなんですけど、「FUKIとしては初めてなんじゃない?」くらいな仕上がりになりましたね。じっくり時間をかけて、今まであんまり歌ったことないタイプのメロディとアレンジを作ったので楽しみにしていてください。

ーー最後に、今回は映画好きなFUKIさんに、おすすめの作品を紹介してもらおうと思います。テーマは「LOVE and CRY」同様、“お揃い”で。

FUKI:“お揃い”って言葉を使っていいのか迷うけど、『きっと、星のせいじゃない。』かな。これは、別々に過ごしてきた同じ病気の2人が出会って両想いになるっていうお話で。病気も含め、境遇が同じ2人が主人公なんです。そこで描かれてるのは間違いなく“お揃い”の気持ちじゃないかな。めっちゃいい映画なので、ぜひ観てみてください!

(取材・文=もりひでゆき/写真=竹内洋平)

 「12 Sweet Stories」インタビュー

・第1弾「KISS.」
FUKIが語る「KISS.」への思いと12カ月連続リリースへの挑戦「大切なのはやっぱり“今”」
・第2弾「Our Love Story」
FUKIが語る、「Our Love Story」で得たものと「12 Sweet Stories」の充実
・第3弾「Long Distance」
FUKI、“遠距離恋愛”テーマの「Long Distance」で挑戦したこと「頑張る勇気を持ってもらえたら」
・第4弾『COVER FOR LOVERS VOL.1』
FUKI×TEE「12 Sweet Stories」特別対談 二人が語る「ベイビー・アイラブユー 」とラブソング観
・第5弾「オリオン」
FUKIが新曲「オリオン」を通して見つけた、“自分らしい歌”
・第6弾「LOVE and CRY」
FUKI、“初恋の日”に贈る楽曲「FIRSTLOVE」で描いた“最初で最後の恋”

FUKI「LOVE and CRY」

■リリース情報
「LOVE and CRY」
発売:2019年11月11日(月)
配信先はこちら

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