少女時代 テヨン、MAMAMOO ファサ、IU、Heize……相次ぐ韓国女性ソロ新作をピックアップ
IU『Love poem』
幅広いジャンルを横断して活躍しているシンガーソングライターのIUは、11月18日リリースのミニアルバム『Love poem』に先駆けて同名シングルを先行リリースした。本作は昨年10月10日にデビュー10周年を記念してリリースしたシングル「BBIBBI」以来、彼女にとって約1年ぶりの新作となる。「BBIBBI」は洗練されたオルタナティブR&Bの曲調にアンチへの鋭いメッセージを込めたトラックだったが、今回は全く異なったタイプのロックバラードだ。
IUの切ない感情表現がロックサウンドに乗せられた「Love poem」は、ピアノの音色と歌声のみで始まり、少しずつ感情が高揚していくさまがアレンジで絶妙に表現されている。彼女自身が書いた歌詞からは、誰かを慰める行為すらも慎重に悩んでしまう彼女の深い考え方と人への愛が感じられる。人として、そしてアーティストとして成長を重ねたIUの現在地がうかがえる一曲だ。本シングルはこれまでバラードやフォークからダンス、R&BなどあらゆるジャンルをこなしてきたIUのニューアルバムへのヒントとなりそうだ。
Heize『Late Autumn(晩秋)』
ここ数年、大衆から最も高い支持を得ている女性R&Bアーティストの一人、Heize。彼女は今年3月に1stアルバム『She’s Fine』を、7月にはBTSのSUGAがプロデュースしたシングル「We don’t talk together」をリリースするなど活発に活動を続けてきている。彼女が固めてきた聴き心地のいいメロウスタイルのポップR&Bは、どれも外れることなく大衆から脚光を浴びている。そして秋を迎えた10月、彼女はこの季節の感性をたっぷりと盛り込んだミニアルバム『Late Autumn(晩秋)』をリリースした。
本作では秋の寂しいムードが6曲にわたって続いている。日本語で「落ちる枯れ葉すらも」という意味の1曲目「떨어지는 낙엽까지도」と「凍っている」という意味の5曲目「얼고 있어」は、タイトルからも晩秋を思わせる。「And July」「첫눈에(初雪に)」などといった季節をテーマにした楽曲で愛されてきたHeizeならではの、新たな“季節シリーズ”の一曲だとも言えるだろう。ちょうど秋が過ぎていく今の時期に聴いてこそ、その魅力が最も楽しめることだろう。
■soulitude
日韓の大衆音楽事情を専門とするライター。歌詞・記事の翻訳や音源の流通、キュレーションなどの職業を経て、今は日韓の音楽シーンの架け橋となるべく活動中。
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