AOA、MAMAMOO、(G)I-DLEら現役アイドルがバトル サバイバル番組『Queendom』の斬新さ
今のK-POPアイドルを語るにはオーディション番組のことは欠かせない。日本でも大人気のガールズグループであるTWICEやIZ*ONEもそれぞれ『SIXTEEN』『PRODUCE 48』というサバイバル形式のオーディション番組出身だということはよく知られている話だ。その2つの番組を含めて数々のサバイバル番組を制作してきたMnetにて『Queendom』という新しいK-POPサバイバル番組を放送。10月31日に最終回を迎えた。アイドルの卵がデビューを賭けて競い合うオーディション番組とは違って、『Queendom』にはすでにデビューして活動している、トップクラスのK-POPガールズグループが多数出演して話題になっている。出演するのはパク・ボム(元2NE1)、AOA、MAMAMOO、LOVELYZ、OH MY GIRL、(G)I-DLEといった異なる魅力の6組だ。
ここ数年間、韓国では様々なサバイバル形式の音楽番組が流行ってきた。その中には“アイドルの登竜門”とされる番組も多くあった。大手事務所の代表が審査員として参加し、歌手志望者から新人を発掘するという最も伝統的なオーディション形式の『K-POP STAR』から、それぞれTWICE、WINNER、SF9を誕生させた事務所単位のサバイバル番組『SIXTEEN』(JYP)『WIN: Who Is Next?』(YG)『d.o.b』(FNC)などもあった。また、それぞれの事務所でトレーニングを受けた練習生が大勢参加して、最後まで勝ち抜いたメンバーがデビューを果たす『PRODUCE 101』シリーズ、すでにデビューは果たしたもののまだ見逃されているメンバーたちを再発見して、一つのグループに集めて再デビューさせるというリブートプロジェクトの『The Unit』などと、サバイバル番組の中でも多様なスタイルの番組が作られてきた。
それらの番組と『Queendom』には根本的な相違点がある。一見現役アイドルが出演するという点から『The Unit』との類似点を感じる人もいるかもしれないが、『Queendom』は既存のグループや事務所の移籍、あるいは再デビューなどを全く検討していない。盛大な単独のカムバックショーケースというリワードがかかっているだけだ。無名の卵が新たなチャンスをつかんで夢を叶おうとするオーディション番組とは出発点が違う。出演グループはどれもが音楽番組の1位を獲得した経験があるぐらい人気と実力を持っているが、それぞれカムバック(新作のリリース)の日にちが被ることがあまりないため、真正面からぶつかり合う場合は極少ない。ここで、『カムバック戦争・クイーンダム』という原題の肩書からも分かるように、K-POPトップクラスのガールズグループが同時にカムバックすることで真剣勝負をする。サバイバルと言っても、脱落よりはプライドをかけて競うと言っていいだろう。
もちろんシングルを同時にリリースするだけの競争だけではない。参加者は最終放送の競演及び新曲のリリースに先駆けて、2カ月間3回の事前競演を行う。各競演は観客と特別審査団、そして参加グループの間の評価で順位と点数が定まる。もしその3回中2回連続で最下位を獲得する場合は、中途脱落という重大なペナルティーを受ける。各事前競演は現役グループにふさわしいテーマを持っている。まず1次競演は各グループを代表するヒット曲のステージ、2次競演は相手チームのカバーステージを披露した。また、3次競演は各チームの代表ボーカルとダンサーを一人ずつ選抜し、ボーカルユニット、パフォーマンスユニットを組んでコラボステージを披露する1ラウンド、ファンのリクエストを反映したステージを披露する2ラウンドで行われた。最終競演は、同時にリリースされるシングルを披露するステージとなり、MAMAMOOが1位を獲得した。