“K-POP界のアベンジャーズ”SuperMがデビュー EPからグループに期待される役割を考察

 2019年10月4日にSuperMがデビューEP『SuperM』を世界同時リリースした。米国ユニバーサルミュージックの傘下<キャピトルレコード>のCEO兼チェアマンであるスティーブ・バーネットがSMエンターテインメントに「東洋と西洋のシナジーを引き上げることのできる新しいグループ」の結成を依頼し、代表のイ・スマン自らピックしたテミン(SHINee)、ベクヒョン、カイ(EXO)、NCTよりテヨン、マーク(NCT 127)、ルーカス、テン(WayV)というメンバーで構成されている。デビューステージはLAのハリウッドにあるキャピトル・レコード本社ビルで披露され、全世界へ生配信された。

19:52 / 1:01:03 [4K] SuperM: Live From Capitol Records in Hollywood
SuperM『SuperM』

 タイトル曲の「Jopping」は「jumping+popping」を意味する通り、飛び跳ねるようなリズムが特徴で、ファンファーレが勇壮なイントロ&サビ部分は映画『アベンジャーズ』シリーズのテーマをサンプリングしている。SuperMは“K-POP界のアべンジャーズ”を標榜しており、実際SMエンターテインメント全体で今後マーベルとコラボレーションを進める予定でもある。「Jopping」はLDN Noiseプロデュースで10人の作曲家による共同制作だが、EXOやNCTの楽曲に参加経験のある顔ぶれも多い。ロックやヒップホップのテイストを加えつつ、グループの体現したいものを凝縮したような曲だ。

SuperM 슈퍼엠 ‘Jopping’ MV

 一方、2曲目の「I can’t stand Rain」は朝鮮半島に伝わる打楽器・チャングと弦楽器・へグムの音色を取り入れており、全体のリズムも朝鮮音楽に多い3拍子がベースだ。SM所属の韓国人作曲家・Kenzieのプロデュースで、欧米の作曲家との共同制作ではあるが作曲にもKenzie自身が参加している。9割の英語詞に韓国語を混ぜ込み“西洋と東洋のシナジー”というもう一つのグループのアイデンティティを表現しようとしたのが「Jopping」だとしたら、楽曲そのもので同様のことを試みたのが「I Can’t Stand The Rain」なのではないだろうか。

 シングルのA面とB面のような上記の2曲以外は一部のメンバーが参加したユニット曲だ。LDN Noiseプロデュースの「2Fast」はベクヒョン・テミン・ルーカス・マークが参加したハウス風味のR&Bで、ボーカルがメインのメロディアスな1曲。一方、スウェーデンの作曲ユニット・Moonshineがプロデュースした「Super Car」(テミン・ベクヒョン・テヨン・テン・マーク)は、EDMではあるがよりラップパートが引き立つビートが強めな楽曲だ。テミン・カイ・テヨン・テンによる「No Manners」は、70年代以前の韓国歌謡を混ぜたようなヒップホップテイストのR&Bで、テヨンが作詞に参加している。SuperMのメンバーは7人中5人が本来の所属グループでラップパートを担当しており、タイトル曲の「Jopping」はほぼ2ボーカル5MCに近いパート配分になっている。アメリカでのトレンドを加味すればラップパートの比重が重くなるのは必然かもしれないが、アルバム全体で見ればユニゾン歌唱パートが多い曲もあり、ラップパート担当のメンバーにもボーカルパートが割り振られている。ラップとボーカルで分かれやすい傾向のあるK-POPのグループとしては、パート配分がフレキシブルと言えるだろう。

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