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ヒゲダン、あいみょん…2019年“サブスクの顔”に 長く聴かれ続ける理由を楽曲特性から探る

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Official髭男dism『Pretender』

 2019年8月26日付のオリコン週間ストリーミングランキングにおいて、Official髭男dismの「Pretender」が13週連続の1位を獲得した。また、同バンドの最新シングル「宿命」が2位、デビュー曲「ノーダウト」が3位と続き、自身初のトップ3を独占するという快挙を達成。オリコンによれば、同一アーティストによるトップ3の独占は2月18日にあいみょんが「マリーゴールド」「今夜このまま」「君はロックを聴かない」の3曲で5週連続記録したのに続き、2組目とのこと(参照:ORICON NEWS)。なお、同ランキングの9月9日付でも前述のヒゲダン楽曲3曲がトップ3を維持し、「Pretender」の連続1位記録も着実に更新し続けられている。

 いよいよストリーミングサービスが普及し音楽を聴く手段として一般化していく中で、いち早くその波に乗り、もはや”サブスクの顔”になりつつあるこの両者。彼らの音楽はなぜ聴かれ続けるのか、その楽曲に注目して理由を探ってみたい。

映画とのタイアップによって引き出された魅力

 映画『コンフィデンスマンJP』の主題歌として書き下ろされた「Pretender」。彼らのYouTubeチャンネルにて公開されている制作ドキュメントによれば、当初渡したデモはすべて却下され、その際に先方から追加で発注された内容が「酸いも甘いも分かってる大人の何か……ちょっと汚いロマンスというか、皮肉さとかビターな感じを入れて欲しい」というものであったという。これに対し藤原は「相当難しいことになると思います」「全く浮かばない」と苦悩の表情を見せるも、制作チームと打ち合わせを重ね、編集中の映画を見に行きイメージを膨らませることで、何とか曲の決定までこぎ着けている。

[制作ドキュメント]Official髭男dism – Pretender

 曲作りの中で、「解決しないコード感が大人な感じとマッチすればいいかな」というアレンジ面でのはっきりとした意図も確認できるように、制作初期段階では彼らになかったアイデアが、映画側に歩み寄って行ったことで生まれていることが分かる。それを象徴するのがコード進行だろう。サビの〈辛いけど否めない でも離れ難いのさ〉や〈甘いな いやいや〉での独特の切ない響きは、まさに先方の要求である”ビターな感じ”が表現された秀逸なアレンジだ。

 「Pretender」のもう一つのポイントは、突き抜けるようなボーカル・藤原聡の爽やかな歌声である。もし、本曲のような”大人な感じ”の歌詞を、たとえば、ORIGINAL LOVEの田島貴男やクレイジーケンバンドの横山剣が歌ったとしたらどうだろうか。恐らく、大人な感じ”そのまま”な曲になっていただろう(それはそれで聴いてみたいが)。平均年齢27歳ほどのまだデビューしたばかりの彼らが歌うことで、男の爽やかな憧れが滲むような、あくまで若者が歌うロマンスの歌として聴くことができる。だからこそ、若いユーザーが多くを占めるサブスクにぴたりとハマった可能性があるのだ。これも映画とのタイアップで起きた化学反応のひとつだろう。

      

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