『夏の夢/キミから一番遠い場所』インタビュー
ナナランドが語る、新体制での再出発とグループの現在地「この7人でできて幸せです!」
7人組アイドルグループ・ナナランドが、7月24日にメジャー2ndシングル『夏の夢/キミから一番遠い場所』をリリース。同作は、夏発売のシングルでありながらも全編にわたってミディアムテンポ/バラード調、どこか切なさを感じさせる歌詞が印象的な一枚に。
大場はるか、小日向麻衣、峰島こまき、雪村花鈴、安藤ゆきねに加え、2019年1月に笹原琴音、3月に西嶋菜々子が加入。7人フルメンバーでのリスタートを切ったナナランド。デビュー作『満月に遠吠え/理由』から約10カ月、その間に起こったメンバーの卒業や新メンバー笹原と西嶋の加入について、そして7人揃った新生ナナランドの現在について聞いた。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】
披露するとき泣きそうになってしまった
――デビューシングル『満月に遠吠え/理由』に続き、今回も両A面となりました。その1曲「夏の夢」は、さわやかなバラードとなりましたね。
小日向麻衣(以下、小日向):夏曲って、アップテンポでタオルを振り回すようなイメージじゃないですか。だけど今回の曲は全然違っていて、バラードでした。夏が始まった時期に聴いても終わりごろに聴いても、エモーショナルな気持ちになってもらえるような、いい曲だなと思っています。
――アップテンポではないからこそ、歌い方も変わりそうですね。
小日向:わざと裏声で歌って、切ない感じを出しました。ナナランドの曲は賑やかな曲が多いんですけど、その時の声とはしっかり変えてますね。個人的には大人っぽいイメージです。
大場はるか(以下、大場):私は、この曲を初めて披露するとき泣きそうになっちゃったんです。ウッて詰まっちゃって、うまく歌えなかったんですよね。歌詞の物語を想像すると言うよりは、今まで自分たちに起こってきた出来事と置き換えて泣きそうになりました。例えば、〈こんな想いさせないで〉とか〈これ以上なにも 憎んだりしたくないんだ〉とか。頭に浮かんでしまうことがいろいろあって、こらえるのに必死になりながら歌っていました。
――会場には浸っているお客さんが多いでしょうし、涙を誘う空気になっていそうですよね。
大場:そうそう、私の目の前で観ていた子が大号泣していて、立っていられなくて泣き崩れちゃったんですよ。それ見た瞬間「やばい!」って。だけど、「絶対にパフォーマンス中は泣いて歌がつっかえたらダメ。『泣いた』っていう印象しか残らないから。歌をちゃんと伝えるためには我慢しなさい」とダンスの先生に言われているので、なんとか持ちこたえたんですけどね。
――それくらい響く歌詞だったんですね。
峰島こまき(以下、峰島):そうですね。でも歌詞だけじゃなく振付にも注目してもらいたいです。これまで踊りやすい振付が多かったんですけど、この曲は感情で魅せるんですよ。個々に苦しんでいたように思います。自分も不器用ながらやっているので、ぜひ一人ひとり観て欲しいですね。
雪村花鈴(以下、雪村):ナナランドはライブで振りコピをしてもらえることが多いんですけど、今回はそうじゃなくステージを観て聴き入ってくれている気がします。私たちもパフォーマンスに集中していますし、それにつられて感情がより入っている気もしますね。だからさっき大場ちゃんが言っていたようなファンの方もいるのかなって。
――今回の曲に関しては、反響も大きいでしょうね。
大場:私たちにとって、バラードって珍しいですからね! 明るい曲だとズバン! といくし、バラードならしっかり聞かせる。1か100かみたいな振り幅でやらせてもらっています。
――MVも、すごく染みました。ロケ地はどこなんですか?
大場:群馬県の嬬恋村というところです。
小日向:のどかなところなので、虫がすごかったのは思い出深いですね(笑)。アリがめちゃくちゃいましたし、暗くなってきて照明を焚いたら蛾がたくさん寄ってきました。そのたび私たちみんなでギャーギャー騒ぐから、追っ払ってもらってから撮影したり。
大場:現場がピリつきましたね(笑)。巻かないと終わらないのに、みんながギャーギャー言ってるから。
――そんな裏話があったとは思えないほどの仕上がりでした(笑)。なかなか行かない場所でしょうし、空き時間も楽しめそうですね。
安藤ゆきね(以下、安藤):みんなは楽しんでいたと思います。しゃべったり、写真撮ったり、お菓子食べたり……。
――「みんなは」?
安藤:実は私、寝不足で……撮影の合間はずっと寝ていたんです。で、あとで公式ファンクラブのこまきのページを見たら、うちがいない間にみんなで撮った写真が上がっていました(笑)。
――なぜ寝不足になってしまったんでしょう?
安藤:単純に寝ていなかったんです。集合は午前3時だったんですけど、私いつも午前2時くらいに寝るから「いっそ寝ずに行ったほうが安心だよね」と思ったらダメでした(笑)。大失敗でしたね。顔もむくんでいて。次は前日のうちからたっぷり寝ます!
――そして、新メンバーの笹原さんと西嶋さんはMV初参加でした。演技の要素もあるMVでしたが、やってみていかがでしたか?
西嶋菜々子(以下、西嶋):メンバーそれぞれにキャラ付けがあって、私は明るいキャラだったんです。自分の性格とも似ていたので、そのままいけて変な緊張はせずにすみました。
笹原琴音(以下、笹原):それに素で喋っているところを撮られることもあって。わちゃわちゃした雰囲気が出ていると思います。
――そして「キミから一番遠い場所」も切ないバラードでした。
大場:〈あの映画のヒロイン真似て 河川敷 昼からのビール〉という歌詞から始まるんですけど、これを見て大好きな漫画家さんの作品が頭に浮かんだんです。だけど、そこまで直接的じゃないでしょ、偶然でしょと思って「共感できる歌詞です!」とだけ言ったんですけど、そうしたら(プロデューサーの古谷完に)「『ソラニン』だよ」って教えてくれて。
――浅野いにおさんの。
大場:そうです! この曲には表テーマと裏テーマがあるんですが、プロデューサーは『ソラニン』を裏テーマとしてオマージュしていたんですよ。私も浅野いにお先生の漫画が大好きなので、プロデューサーの話を聞いて、「やっぱり!」となりました。どの曲も気合い入っているんですけど、この曲はめちゃくちゃボイトレして挑みましたね!
――口調からも好きなことが伝わってきます。
大場:浅野いにお先生には、ずっとグッズに絵を描いてもらいたいって思っているんです。お忙しいので、なかなかかなわないんですけど。
雪村:あとこの曲はパフォーマンスも特徴で、ダンスがめちゃくちゃ激しいんです。歌は夏の夢みたく歌っているんですけど、ダンスはキレッキレ。ナナランドには無かった振りが多くて、新しいナナランドを見られると思います。
――〈愛していた〉が連続するのも印象的でした。ここも新しいナナランドですね。
小日向:最後は大場ちゃんとこまきが雄叫びをあげてくれています(笑)。愛していたっていう過去形の気持ちが強くなっていて、最後に思いが溢れて。強まっていく感じが表れているかなと。
――笹原さんと西嶋さんは、どんな気持ちでレコーディングしていましたか?
笹原:「キミから一番遠い場所」は、表題曲だしソロ(TYPE-B〜Hにそれぞれ収録)も収録されるので、「やってやろう!」って思って。収録曲の中で一番最後のレコーディングでもあったので、気合い入れまくってはちみついっぱいなめてやりました(笑)。
西嶋:こひちゃん(小日向)の歌をお手本にして臨んだんですけど、すごく緊張して声が震えてしまいました。後半にいくにつれてだんだんリラックスしていったんですけど、やっぱり大変でしたね。先輩たちはすごいと思います。
――CDになるわけですから、緊張するのも当然ですよね。
峰島:私も、数ある仕事の中でレコーディングが一番緊張します。だから西嶋と同じで小日向の歌を聞いていました。音程とリズムをとにかく合わせようとした結果、小日向の歌い方を意識した感じになっていました。いや、誰? みたいな(笑)。