秋山黄色、FINLANDSとのツーマンライブで見せた表現力の豊かさ 新曲「夕暮れに映して」も披露

秋山黄色、FINLANDSとのツーマンライブレポ

 5曲を終えた時点で“ソロアーティストは解散も無く、色々な人とやれる”と、メリットを語った。この日はサポートに4人を迎えてのパフォーマンスだったが、今後もメンバーは増えていくと思うとも話した。

 また「失敗なしでは自分の人格は形成されていない」と言い「忘れられないし、忘れたくない。どんなに転んでた俺も、俺だからさ」と歌詞を引用しながら、8月9日に配信リリースされる新曲「夕暮れに映して」を披露。MCと繋がるようにサビで〈忘れられない。忘れられない。忘れられないもんな〉と繰り返し歌う。秋山の想いと、新たな試みが詰まった一曲だった。

 「スライムライフ」では〈僕のそばには 心臓と音とギターだけ〉と、心をかきむしるようにギターを鳴らす。バンドが一体となり、音が迫ってくるようだった。ここで、9月に初のワンマンライブを開催するという発表に会場は大歓声に包まれる。「とうこうのはて」では客席を煽ると、フロアは日頃の鬱憤を晴らすかのように踊り、「とうこうのはて」と大声で叫んでいた。

 熱気冷めやらぬ中、最後に披露されたのは「クソフラペチーノ」。まさにライブで化ける曲であり、メンバーも暴れ回り、楽しそうに演奏していた。最後まで歓声は鳴り止まず、汗だくで、スッキリとした笑顔の観客の姿があった。

 2月のレポートで「秋山黄色は公演中にさえ“進化”する」と書いた。その進化が公演中だけでなく、この半年間続いていたことを確信したライブだった。自宅で音楽を作っていた青年が、自信をつけ、この日は完全に場を自分のものにしていた。彼はMCで「今までは家で一人でお母さんに心配されながらやっていたことを、こうやって何人かに期待されながらやる遊びに大きく変わっていくと思う」と語った。彼の進化はとどまることをしらない。何人かといわず、何万人もの人に期待されライブをする日も、すぐ近くに待っているような気がした。

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(写真=鈴木友莉)

■深海アオミ
現役医学生・ライター。文系学部卒。一般企業勤務後、医学部医学科に入学。勉強の傍ら、医学からエンタメまで、幅広く執筆中。音楽・ドラマ・お笑いが日々の癒し。医療で身体を、エンタメで心を癒すお手伝いがしたい。Twitter

秋山黄色オフィシャルサイト

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