PRIZMAX、新体制初ワンマンで見せた変化と魅力 豊洲PIT公演を振り返る

PRIZMAX、新体制初ワンマンに感じた魅力

 後日、クリエイティブディレクター・横瀬 瞳氏のInstagramで明かされていたが、この日の裏テーマは「五感で楽しむ大人のサーカス」。序盤から中盤にかけてはミュージカルのようなストーリー仕立てになっており、一部は空港をイメージさせるSEや森崎が曲間でコートを羽織るなど、“旅”をテーマにした季節感のあるメドレー構成になっていたという。既存楽曲を含めてさまざまなイメージを想起させるこの流れの中で、たとえば各メンバーのソロやボーカル2名ずつの掛け合い、小川がラッパーとしても活躍した新メンバー3人による「Someday」など、組み合わせを変化させながら現在の彼らが持てる力をフルに引き出した演出も興味深かった。加入当時からTwitterなどでも公開されてきたが、ケビンがピアノの弾き語り、森が得意のマジックを繰り出したり、会場を大いににぎわせた「カフェオレ」でのキュートな小川の女装(?)も含めて、PRIZMAXの新たな魅力といえる。

 そして、旧メンバーカラーのものとこのライブ用の新ペンライトを組み合わせて持ち、「HUG&KISS」や「If you」でメンバーと振りを合わせ踊っていた観客の多さにも、変わりゆく彼らを温かく見守ろうとするホリックたちのスタンスが感じられた。その空気を受けてなのかもしれないが、新体制への移行からアルバムのリリースイベントまでどこか表情の固さが感じられた7人が、この日はエンディングの「If you」などでそれぞれリラックスした明るい笑顔を見せていたのも非常に印象的だった。

 スライドギターなどが入った新バージョンの「Lonely summer days」をバックにしたエンディング映像の終了後、12月29日の次回ワンマン『PRIZMAX Live Level 9 ~CIRCUS WINTER VERSION~』の情報がアナウンスされ会場を沸かせていた。この夏から秋にかけては『Rakuten GirlsAward 2019 AUTUMN/WINTER』など複数のイベントやフェス出演が予定されているが、冬バージョンのワンマンではどんなエンターテインメントを見せてくれるのだろうか。

(写真=笹森健一)

■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。

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