日向坂46「ドレミソラシド」、なぜ2期生中心のフォーメーションに? 丹生・小坂・河田から考える
一方、河田は『日向坂で会いましょう』で「第1回 I LOVE河田選手権」が開催されたり、『HINABINGO!』では「妹にしたいメンバー」1位に選ばれたりと、メンバーからもとにかく愛されている。加藤は「彼女は何もしてないんですけど癒してくれる」と口にし、高本彩花もまた「すべての行動がかわいくて愛おしくてたまらなくなる」と絶賛。「天使」という言葉がしっくりくる、この2人がいれば、世の中から争い事はなくなるのでは? と思わせるほど、不純物ゼロの癒しキャラだ。そして丹生の横には齊藤、河田の横には加藤と、それぞれ溺愛している先輩が寄り添っているのも面白い。
実はこの丹生、小坂、河田という3人の並びは、すでに「キュン」のMVに予兆があった。小坂が〈「可愛い」〉と囁くシーンが、まさにこの3人なのだ。同フレーズは、「キュン」のCMの冒頭にも使用されているため、実に印象深い。もしかしたら、以前から日向坂の楽曲における“ハッピーオーラ+爽快感”を象徴する3人だと、考えられていたのかもしれない。「ドレミソラシド」は、ある日突然君を意識し始め、僕の恋心が芽生えるといった、「キュン」と同様に、甘酸っぱい恋愛感情を描いた歌詞。前作の〈キュン〉に代わり〈ドレミ〉というワードで胸の高鳴りを表現している。「キュン」で成功した勢いそのままに、日向坂の明るく爽やかなイメージを定着させるにはもってこいの楽曲だ。
日向坂46『キュン』MV
同時にバラエティ番組やライブで観る日向坂のイメージにピッタリの夏曲でもあり、今回も一瞬で耳に残るキャッチーなフレーズが印象的だ。CMや番組のBGMとしても使いやすく、今回の「ドレミダンス」もまたTikTokで流行りそうな振付となっている。〈ドレミ〉というわかりやすいワードを繰り返すことで、小学生、園児といった若年層にもウケそうな、世間に浸透しやすい曲ではないだろうか。だからこそ、ピュアなイメージが強い3人が中心にいるフォーメーションはハマるように思う。
とは言え、MVを見る限りでは、しっかりと全メンバーにスポットが当たっている。みんなが平等に映るようなダンスのフォーメーションとなっているため、誰のファンであっても楽しめるはずだ。そういう要素も含めて、見ていて笑顔になれるところが、日向坂の最大の魅力なのかもしれない。
(文=本 手)