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ZIGGY、KAATO、The Damned Things……クラシックロックをベースにした新譜6選

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 前回の新譜キュレーション連載(L.A. Guns、Buckcherry、The Treatment……80年代ハードロックを継承する新譜10選)では、モトリー・クルーの自伝映画『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝』がNetflixで公開されたことにちなんで、80年代から息づく正統派ハードロックバンドの新譜を紹介しましたが、この4〜5月にもその流れにあるバンドたちの注目の新作が多数リリースされています。そこで今回は前回からの流れを踏まえつつ、“今聴いておくべきクラシックロックをベースにした新作”を6枚ピックアップしたいと思います。

 まず最初はここ日本の話題から。最近はThe Blue Screamを筆頭に、80年代からよみがえったかのようなビジュアル&サウンドのハードロックバンドがいくつか誕生していますが、その始祖的存在として長きにわたりシーンで活躍し続けるZIGGYのニューシングル『ヒカリノアメ』は、今このタイミングにマストで聴いておきたい1枚です。

ZIGGY『ヒカリノアメ』

 今から30年前の1989年、月9ドラマ『同・級・生』の主題歌に採用された「GLORIA」が30万枚を超える大ヒットを記録し、一躍人気バンドの仲間入りを果たしたZIGGY。その後もメンバーチェンジを繰り返しながら数々のヒット作を生み出してきましたが、2017年からは森重樹一(Vo)にサポートメンバーを加えた編成で本格的に再始動。森重のバラエティ番組出演などもあり、ZIGGYの過去の楽曲に再び注目が集まる機会も増えていますが、昨年秋発売のアルバム『ROCK SHOW』ではハードさとグラマラスさ、ポップさが絶妙なバランスで混在し、往年の輝きを完全に取り戻していることはぜひ声を大にして伝えておきたいところです。

 その流れでこの春発表されたシングル『ヒカリノアメ』では、煌びやかなディスコポップ風の“future disco ver.”と前のめりなパンクアレンジの“hyper punk ver.”という異なるアレンジの表題曲や、ZIGGYらしいキャッチーさを持つハードロック「SOMETIMES」、軽やかなリズムが心地よい「MELODY」といった新曲から“ZIGGYのど真ん中”を存分に味わうことができます。ミニアルバム並みの濃厚さを持つこのシングルは、現在のZIGGYの入門編にもぴったりな1枚と言えるでしょう。

ZIGGY “ヒカリノアメ(future disco ver.)” (Official Music Video)

 そのZIGGYも一時期かなり影響を受けていたことが2000年代前半の音源から伺える、イギリスの4人組バンドThe Wildhearts。彼らは5月に、10年ぶりのニューアルバム『Renaissance Men』をリリースしたばかりです。

ザ・ワイルドハーツ『RENAISSANCE MEN』

 The Wildheartsはフロントマンのジンジャー・ワイルドハート(Vo/Gt)を中心に90年代初頭に結成。ヘヴィなバンドアンサンブルにバブルガムポップのようなポップなメロディ&ハーモニーをミックスしたサウンド/楽曲は当時“The Beatles meets Metallica”と表現され、ここ日本でもハードロック/ヘヴィメタル(以下、HR/HM)ファンを中心に高く評価されました。

 今回のアルバムはジンジャー、CJ(Gt/Vo)、ダニー・マコーマック(Ba/Vo)、リッチ・バタースビー(Dr)の“クラシカルラインナップ”と呼ばれる黄金期メンバーで制作。前作『¡Chutzpah!』(2009年)はデジタルエフェクトを多用したモダンな作風でしたが、この新作もそういった要素も含みつつも90年代半ばに彼らが持っていた王道感や、90年代末以降繰り返された数々の実験などが血肉となり本作に反映されているように感じられます。極上のキャッチーさとゴリゴリのヘヴィさ、そして歌詞に散りばめられた現代社会に対する怒りなど、改めてThe Wildheartsがどういうバンドだったかを思い出させてくれる強烈な内容は、彼らのキャリアでも1、2を争うベスト作と言えるのではないでしょうか。6月末からは本作を携えたジャパンツアーも控えているので、彼らを一度も観たことがないという人こそぜひ足を運んでもらいたいところです。

The Wildhearts – Let ‘Em Go

 続いてはアメリカから、メタル/パンク/ラウド界の個性派メンバーたちによるスーパーバンドThe Damned Thingsです。彼らはAnthraxのスコット・イアン(Gt)、Fall Out Boyのジョー・トローマン(Gt/Vo)&アンディー・ハーレー(Dr)、Every Time I Dieのキース・バックリー(Vo)らが中心となり結成。2010年末に1stアルバム『Ironiclast』をリリースしましたが、各バンドの活動との折り合いが難しくなり2012年に一旦活動休止。しかし、2016年頃から新作制作に向けて活動を再開し、この4月末に8年4カ月ぶりの2ndアルバム『High Crimes』を発表しています。

The Damned Things『High Crimes』

 本作からAlkaline Trioのダン・アンドリアーノ(Ba)が加わり、よりスーパーバンド感が強まりましたが、“ブルースというルーツに忠実なリフがメインのロックバンド”というコンセプトはそのまま維持。芯の太いアンサンブルから繰り出される前のめりなファストチューンや、Thin Lizzyにも通ずるブルージーでトラディショナルなミディアムナンバーが満載で、ところどころにFall Out Boyらしいモダンさも散りばめられているものの、Motörheadにも通ずるそのど直球なスタイルはヘヴィサウンドを愛好する者なら嫌いになれるはずがありません。百戦錬磨のメンバーが本業(=メインバンド)とは異なる表情を見せる点含め、聴きどころの多い1枚です。

THE DAMNED THINGS – Cells (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

 4組目はオーストラリアから、クラシックロックを現代に伝道し続ける気鋭のバンドKAATO。オーストラリアというと大御所AC/DCを筆頭に、AirbourneやWolfmother、Jetなどルーツロック、クラシックロックを下地にした、普遍性の強いサウンド/楽曲の持ち主が多く思い浮かびますが、このKAATOもその系譜に連なる1組と言えるでしょう。

KAATO『Slam!』

 デビューアルバム『KAATO』(2017年)から急激な成長を遂げた2ndアルバム『Slam!』は、70年代のハードロックやグラムロックをベースにした豪快かつキャッチーなサウンドに、艶やかなカート・ロウニー(Vo)の歌声が乗ることで、2019年の現代にも通用するアルバムに仕上がっています。世界的にはまだまだ知名度は低いものの、The Strutsにも通ずるその楽曲の世界観はきっかけさえあれば一気に浸透するのではないでしょうか。

Glamour Queen

      

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