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西廣智一の新譜キュレーション

L.A. Guns、Buckcherry、The Treatment……80年代ハードロックを継承する新譜10選

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 3月22日、Motley Crueの自伝小説『The Dirt』(2001年)が原作の映画『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝』がNetflixで公開されました。この映画はもともと2006年頃から映画化が準備されていましたが、その過激な内容もあってかキャスティング含め計画が難航。最終的にMotley Crueのメンバーがプロデューサーを務める形で、昨年初頭にようやく撮影がスタートし完成まで漕ぎ着けました。

『ザ・ダート: モトリー・クルー自伝』予告編 – Netflix [HD]

 Motley Crueは2015年末のライブをもって活動を終了させていましたが、この映画のために約3年ぶりに4人勢揃い。ボブ・ロックをプロデューサーに迎え4曲(新曲3曲、カバー1曲)を新たにレコーディングして、ファンを驚かせました。この新録曲が収録されたのが、映画公開と同日にリリースされたサウンドトラックアルバム『The Dirt Soundtrack』です。

Motley Crue『The Dirt Soundtrack』

 本作はサントラと言いながらも、収録されているのはすべてMotley Crueの楽曲で、映画のベースとなる80年代の人気ナンバーが多数収録されています。映画のテーマソングと言える新曲「The Dirt (Est. 1981)」では劇中でトミー・リー(Dr)役を演じたラッパーのマシン・ガン・ケリーをフィーチャー。さらに映画の舞台となる80年代のヒット曲、マドンナの「Like A Virgin」をハードロック調にカバーするなど、新録曲はどれも90年代後半のMotley Crueらしいダークなアレンジが施されています。

Mötley Crüe – The Dirt (Est. 1981) (feat. Machine Gun Kelly)

 この映画を観て、久しぶりに80年代のヘアメタルやストレートなハードロック作品を引っ張り出してみた、なんて人も少なくないのでは。ということで、今回はそういった80年代のストレートなハードロックが、2019年の今にどう生き延びているのかを確認する意味も含めて、最近リリースされた同系統の新譜を紹介していきたいと思います。

 まず、Motley Crueと同時代を生きたロサンゼルス出身のバンド、L.A. Gunsから。90年代以降はメンバーチェンジが激しかったものの、2016年にフィル・ルイス(Vo)とトレイシー・ガンズ(Gt)が再合流し、翌2017年には『LOUD PARK 2017』での来日も実現しました。

L.A. Guns『The Devil You Know』

 3月末には前作『The Missing Peace』(2017年)から1年半ぶりのニューアルバム『The Devil You Know』を発表したばかり。作風的には前作の延長線上にあるものの、このバンドが本来持っていたダーティーさが復調しており、ミドルテンポ中心のハードロックチューンの数々から80年代末の全盛期に通ずる世界観を楽しむことができます。

L.A. Guns – “Rage” (Official) #RockAintDead

 L.A. Gunsと同時期にデビューを果たし、「Love Song」「Signs」などのヒット曲を持つカリフォルニア州サクラメント出身のTeslaも、3月上旬に5年ぶりの新作『SHOCK』をリリース。これまでに発表した8枚のオリジナルアルバムはすべて全米TOP40入りを果たし、最新作も最高21位と「ロックが売れない」と言われる現代において好成績を残しています。

Tesla『SHOCK』

 『SHOCK』にはDef Leppardのギタリスト、フィル・コリンがプロデューサー&ソングライターとして参加。そのせいもあってか、どの曲も練り込まれたアレンジが印象的でコンパクトな仕上がりで、キャッチーなメロディと重厚なコーラスはDef Leppardにも通ずるものがあり、80年代のTeslaらしさを現代的にポリッシュした普遍性の強い楽曲満載となっています。

Tesla – Shock

 Motley CrueやGuns N’ Rosesなど、グラマラスなバンドは90年代のグランジブームにより一時的に廃れますが、アメリカでは2000年前後にBuckcherryがデビューすることにより息を吹き返します。そのBuckcherry、デビュー当時のメンバーはすでにジョシュ・トッド(Vo)のみとなってしまいましたが、先日リリースされた3年半ぶりの新作『Warpaint』ではグラマラスロック健在をアピールしています。

Buckcherry『Warpaint』

 通算8作目となるこのアルバムは、メインソングライターのひとりだったオリジナルメンバーのキース・ネルソン(Gt)脱退後初のオリジナル作品ですが、初期のBuckcherryが持ち合わせていた危うさやアクの強さが復活した、ある種の原点回帰的1枚。そんな中、Nine Inch Nails「Head Like A Hole」という異色のカバーも含まれており、デビュー20周年を経てもなお挑戦的・挑発的な姿勢が感じられます。

Bent (Official Music Video)

 ここ日本ではBuckcherryと同時期にデビューを果たしたのが、スウェーデンの爆走ロックバンドBackyard Babies。ここ日本でも常に高い人気を誇る彼らも、今年結成30周年を迎えたばかりです。

Backyard Babies『Sliver & Gold』

 そんなアニバーサリーイヤーの今年3月(日本では4月3日)にリリースされたのが、通算8枚目のスタジオアルバム『Sliver & Gold』。長きに渡る活動休止期間を経て2015年に発表された前作『Four By Four』がリハビリ期間だったんじゃないかと思えるほど、初期衝動に満ちたアグレッシブなロックンロールアルバムに仕上がっています。一度聴いただけで耳に残るキャッチーな楽曲の数々は、どれもこれも「これぞロックンロール!」と太鼓判を押したくなるような仕上がりです。

BACKYARD BABIES – Good Morning Midnight (OFFICIAL VIDEO)

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