映画『プロメア』楽曲解説 Superflyと澤野弘之の魂を燃やす音楽は作品をどこまで熱くしているのか
極めつけはSuperflyによる「覚醒」だ。バトルシーンでは必ずかかるこの楽曲は、あの名曲「タマシイレボリューション」以上に聴くものを鼓舞するナンバーだ。サビには〈マハリ ユワレ ガアイェ サヴァナレ〉〈アマレ ディラヒ ジュマギ ガラシャナ〉とマントラのような呪文が盛り込まれており、これが闘争心に「火」をつけまくる。対してエンディングに流れる「氷に閉じ込めて」は「覚醒」と対を成すバラードチューン。情熱的な者とクールな者という、対を成す2人の叶わない恋という切ない内容となっているが、その構図そのものが本作のW主題歌である「覚醒」「氷に閉じ込めて」、ひいてはガロとリオを指していく入れ子構造になっているのも興味深い。
まだまだ見どころを語るには足りないほど魅力的な作品ではあるが、音楽だけでもこれだけの楽しみ方がある。もう一度、劇場で耳をすませながら別の角度からも楽しむことをオススメする。
(文=石川雅文)