荻原梓のチャート一刀両断!
亀梨和也、初ソロシングル『Rain』が首位に 最新チャートから見えた男性ボーカル表現の”現在形”
一方で、奇しくも同じようにピアノが大々的にフィーチャーされた菅田将暉の「まちがいさがし」(ドラマ『パーフェクトワールド』主題歌)が同日付の週間デジタルシングル(単曲)ランキングで1位を獲得。作詞作曲は米津玄師が務めている。
〈まちがいさがしの間違いの方に 生まれてきたような気でいたけど まちがいさがしの正解の方じゃ きっと出会えなかったと思う〉という歌い出しの孤独感漂うフレーズを、菅田が独白するようにして歌う。サビでは力強く叫ぶように歌い上げるが、どことなく助けを求めているような悲痛さがあって、胸が締め付けられる。
菅田と米津のコラボは2017年の「灰色と青」以来2度目。この2人と言えば、年初に吉田拓郎が自身のラジオ『吉田拓郎 ラジオでナイト』(ニッポン放送)で「涙が浮かんだ」「風景画のような印象」として絶賛していたが、この2人がタッグを組むと男の哀愁のような一面が漂う。どこか影があり、強い眼差しを持った、孤独な男性像だ。そういう意味では、前述した亀梨にも通じるところがある。
亀梨のソロデビュー曲と、菅田と米津のコラボ曲。今週のチャート1位を記録した両者からはどちらも似た雰囲気があった。男性ボーカル表現の”現在形”が浮かび上がった週間チャートであった。
■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
blog
Twitter(@az_ogi)