西川貴教は情熱を背負って音楽で挑戦し続けるーー『SONGS』で語った自身の原点と今後の夢

 音楽のプロとして、いや、国民的エンターテイナーとして歩み続けてきた西川が大切にしている活動が故郷の滋賀県で立ち上げた野外音楽イベント『イナズマロック フェス』である。きっかけは、「音楽でふるさとに恩返ししたい」という気持ちと、母親が病気を患ったことだったといい「地元に帰りたいけど中々帰るタイミングを作れずにいて、(故郷で)仕事を作ろうと思って始めたのがこのフェスでした」と明かす。開催当初、開催が無謀だと言われていた『イナズマロック フェス』は昨年で開催10周年を迎えたが、その前年に母を亡くした西川。「(フェスが終わると)いい歳の息子の頭を(母が)撫でてくれるんですよ。それが僕の唯一のご褒美だったので、それが励みで毎年(フェスを)やれてたんですよね」と、母が強い支えになってくれていたことを語った。

 現在は新人歌手として、レコード店巡りやショッピングモールでのイベントなど挑戦を続ける西川。T.M.Revolutionとしてはすることのなくなった下積みの活動を通して、周りのファンや関係者がくれる応援が自分をもう一度奮い立たせてくれるのだという。T.M.Revolutionという屋号を一度置き、「自分自身でもう一回魅力的な人になりたい」という西川の想いに大泉も共感を示した。「西川貴教としての目標はありますか?」と大泉に問われると、「西川貴教として代表作ができるようになることですね。あと、海外へのトライって壁はまだ高いと思うけど、国とか地域関係なくいろんなコラボレーションがしたいです」と野望を語った。

 番組のラストには「いくつになったら挑戦しちゃダメとか夢見ちゃダメとか決まってないし、人生100年なんていうんだったら自分はまだ40代なんだからもうちょっと夢見てもいいでしょ? って思っています」と力強く語り、「UNBROKEN (feat. 布袋寅泰)」を披露。〈天命は挑戦だ〉〈その胸に咲く信義はあるか〉と、ずっと変わらずに音楽への想いを持ち続け、自身を鼓舞するために新人歌手という原点に戻る挑戦を選択した西川の決意をそのまま歌にした楽曲は、とんでもない生命力と彼にしか歌えないという説得力に満ち溢れていた。仲間が音楽にかけた情熱や、母をはじめ自分を応援してくれる人たちの情熱を背負って歌い続ける西川の挑戦に、この先もずっと追い風が吹き続けることだろう。

西川貴教 『UNBROKEN (feat. 布袋寅泰)』Music Video(Short Ver.)

 なお西川貴教は、5月17日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演し、「UNBROKEN (feat. 布袋寅泰)」を披露する。

(文=神人未稀)

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