DREAMCATCHER、東京キネマ倶楽部でアジアツアーファイナル飾る シンプルな構成で見せた実力
エッジの効いたダークなサウンドと華麗なダンスの融合で唯一無二の魅力を放つK-POPガールズグループ・DREAMCATCHER(ドリームキャッチャー)が2019年5月2日、東京で『INVITATION FROM NIGHTMARE CITY in JAPAN』と題した単独ライブを行った。これはインドネシア(ジャカルタ)を皮切りに、シンガポール、フィリピン(マニラ)、韓国(ソウル)と巡回した大規模なツアーのハイライトと言えるもので、彼女たちのキャリアの中でも重要な位置を占める公演になるに違いない。
開催場所は東京・鶯谷にある東京キネマ倶楽部。大正ロマンのオペラハウスを再現したという「洋館」的なムードが漂うこの空間は、ビジュアル系の美意識をダンスポップに取り入れてきたDREAMCATCHERのために作られたといってもいいほど、グループのスタイルによくなじむ。本公演は昼夜2回開催され、いずれも満員に。会場内はこの日を待ち望んでいた熱狂的なファンで埋めつくされた。
夜の部はカバーダンスグループ・Orange catcher(オレンジキャッチャー)の短いステージの後にスタート。神秘的で壮大なサウンドが鳴り響く中、白と黒をベースにしたスタイリッシュな衣装で登場したDREAMCATCHERの7人(ジユ、ユヒョン、シヨン、スア、ガヒョン、ダミ、ハンドン)は、「What -Japanese ver.-」と「Chase Me -Japanese ver.-」を歌い上げた。韓国オリジナルバージョンではなく、日本デビュー曲とそのカップリング曲をオープニングナンバーに選ぶあたりに、日本公演への意気込みが感じ取れる。
「ここ日本がアジアツアーの最後。もっともっとたくさんの国に行きたかったです。またすぐにやれるといいなって思います」(ユヒョン)、「昼夜2公演あるので1日中みなさんに会えて嬉しいです!」(スア)といったメンバーたちのあいさつに続いて披露したのは、日本2ndシングルのカップリング曲「Wonderland -Japanese ver.-」と「GOOD NIGHT -Japanese ver.-」。たくさんのスポットライトが照らすステージの上で複雑なフォーメーションダンスを軽々とこなす彼女たちは、国境を超えた魅力を放って客席を圧倒する。
ここで一旦クールダウン。「プロモーションでほとんど歌えなかった曲」(ジユ)として紹介された「Daydream」は、韓国で今年2月にリリースされた4枚目のミニアルバムの収録曲だ。そして間髪を入れずに熱唱したのは、韓国デビューミニアルバムからの「大丈夫(Trust Me!)」。どちらもK-POPの王道を行く前向きなバラードだが、彼女たちの声で聴くと何となく神秘的に聴こえてしまうのが不思議だ。
本公演ではスペシャルユニットによるカバーソングもいくつかセットリストに組み込まれた。ユヒョンとダミによる「春の日(Spring Day)」のオリジナルはBTS(防弾少年団)。日本語バージョンのせいかラップの部分に苦労したというものの、仕上がりはパーフェクトである。スアとシヨンが選んだ「さよならひとり」は、SHINeeのメンバーであるテミンのソロナンバー。リハーサルでは目が合うと笑ってばかりだったようだが、本番ではシリアスに情感たっぷりに歌い上げ、その姿に観客も満足そうだ。カバーソングコーナーはジユ、ハンドン、ガヒョンによる少女時代「Gee」で締めくくり、ステージは早くも終盤へ。
日本2ndシングル『PIRI ~笛を吹け~ -Japanese ver.-』の関連映像の上映に続いて始まった同曲のライブパフォーマンスは圧巻だった。アーティスティックスイミングを思わせる刀群舞(カルグンム:切れ味抜群のダンス)はコンサート会場で観ると迫力が倍増する。
メタルとEDMのエッセンスを取り入れたミディアムテンポの「Trap」や初披露の「YOU AND I -Japanese ver.-」、クール&ファンキーな「そして誰もいなかった(And There Was No One Left)」などレアなナンバーで大いに盛り上げると、いよいよ最後。「アジアツアーを日本で終了できるのが本当に幸せです」(ハンドン)、「時間がこんなにはやく過ぎてしまって残念です」(ガヒョン)と語るメンバーたちは、日本のファンへ向けたオリジナル曲「I Miss You」と韓国デビュー2周年記念ファンソング「空を越えて(Over the Sky)」で客席とのコミュニケーションを楽しんだ後、名残惜しそうにステージを去っていく。