『プリパラ』シリーズアイドルが放ち続けるきらめきーーコンプリートアルバムを機に楽曲を振り返る

 4年目にあたる『アイドルタイムプリパラ』の楽曲は、やはりMY☆DREAMの「Believe My DREAM!」抜きでは語れない。華やかさの中にちょっぴり切なさをはらんだサウンドでありながらも、どこか「Pretty Prism Paradise!!!」を思わせるようなギターリフの音色も持つこの曲は、様々な困難を乗り越えてのチーム結成時に初披露された時から胸を熱くするものがあった。しかもその存在は“夢の力”が鍵となる本編を通じてさらに大きくなり、最終回エンディングでのオンエアをもって“『アイプリ』という作品を象徴する1曲”にまで成長していった。加えて、大きな驚きを与えてくれた「リンリン♪がぁらふぁらんど」も忘れてはならない曲。古代プリパラの昼の精霊・ファララ(CV.佐藤あずさ)の「サンシャイン・ベル」と夜の精霊・ガァララ(CV.黒沢ともよ)の「すた〜らいとカーニバル☆」が組み合わさることで完成するというギミックには、放送当時大いに驚かされた。

 そして、前述の松井・桑原・酒井の3人が“プリティーシリーズ”への愛をあふれんばかりに詰め込んだ、昨春公開の『劇場版 プリパラ&キラッとプリ☆チャン 〜きらきらメモリアルライブ〜』の主題歌「プリマ☆ドンナ?メモリアル!」によって、きらめきのバトンは『キラッとプリ☆チャン』とその曲を歌うRun Girls, Run!へと受け継がれた。未だに作品単体のツアーが行われたりと展開の続く『プリパラ』シリーズではあるが、そこで輝き続けるプリパラアイドルを愛し続けていくのはもちろん、同時にあらたに生まれるキラッときらめくアイドルたちとその楽曲もまた、愛していきたいものだ。

■須永兼次(すなが・けんじ)
アニメソング・声優アーティスト関係を中心に活動するフリーライター。大学の卒論でアニソンの歌詞をテーマにするほど、昔からのアニソン好き。現在は『リスアニ!』『月刊ニュータイプ』や『TV Bros.』等に寄稿。

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