『映画 少年たち』にある“ジャニーズとは何か”の答え 京本大我、ジェシー、岩本照を軸に魅力を考察
京本自身は、人気ミュージカル『エリザベート』にルドルフ役で出演するなど、高い演技力、歌唱力、表現力で、エンターテインメント業界の次世代を担う存在として注目を集めてきた。自ら作詞・作曲も手がけ、コツコツとギターを弾く姿は、1人でこっそりと仲間の絵を描くジュンともリンクして見える。
そんな京本と、同じユニットSixTONESで活動するジェシーは、赤房のリーダー・ジョーを演じる。ジェシーもジョーと同じく、アメリカ人の父、日本人の母から生まれた。もともとアメリカのブロードウェイミュージカルに刺激を受けて生まれたジャニーズにとって、世界に誇るエンターテインメントを日本から発信していきたいという願いはずっと根底にあるように思う。
恵まれた体格、仲間から頼られるキャラクター、確かな歌唱力、堪能な語学力。そんなグローバルな雰囲気を持つジェシーが、和風美人な京本と共にSixTONESとして「JAPONICA STYLE」を歌う意味は、ジャニーズの歴史から見ても大きいように思う。国境を超えて愛されるスター、作品を生み出すのは、彼らなのではないかと期待も膨らむ。
そして、自分たちが思っている以上に力を引き出すのは、最強のライバルの存在だ。ジェシー演じるジョーのライバルとなる青房のリーダー・コウタを演じるのはSnow Manの岩本だ。喧嘩ばかりの赤房と青房は、それぞれデビューという夢を追いかけてしのぎを削るSixTONESとSnow Manのリアルなライバル関係にも重なる。もちろん、劇中のように殴り合いの喧嘩はしないが、ダンスや歌で勝負を繰り返す彼らの演技にも熱が入る。
なかでもコウタに扮している岩本は、日本古来の「男らしさ」を体現するような剛健さが魅力。口数は決して多くはないが、仲間のために頭を下げることもできる男気あふれるキャラクターだ。そのストイックで、仲間想いな一面は、これまでSnow Manメンバーと共に、数々のジャニーズ舞台を支えてきた岩本そのまま。がっしりとしたジェシーに負けない、強靭な肉体を持っていることも重要だ。歌唱力の面でも、演技力でも、まさにいい勝負。同じくらい仲間を愛しているというところでも、ライバルにふさわしいふたりが揃う。そんなタイミングは、そうそうあるものではない。
また、本作で輝いているのはSixTONESにSnow Manだけではない。ローラースケートに、カーテンフライング、早替えマスクなど、ジャニーズが誇る舞台演出をこれでもかと披露するHiHi Jets、美 少年をはじめとした若手Jr.や、黒房を演じた関西ジャニーズJr.たちも続く。この層の厚さがあってこその、今このタイミングでの映画化なのだろう。
やがて少年たちは大人になっていくけれど、その時間を映画という作品にすることで時計を止めることができるのではないか。リアルタイムで過ぎ去っていく“若さ”を愛でてきた舞台『少年たち』を永遠にする、挑戦作ともいえる『映画 少年たち』。今、この瞬間に少年たち(ジャニーズJr.)が集結したひとつの奇跡を、そしてほとばしる若さを体感せずに、ジャニーズは語れない。
(文=佐藤結衣)
■公開情報
『映画 少年たち』
全国公開中
出演:ジェシー、京本大我、高地優吾、松村北斗、森本慎太郎、田中樹/SixTONES
岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介/Snow Man
西畑大吾/なにわ男子
向井康二、室龍太、正門良規、小島健/関西ジャニーズJr.
宮近海斗/Travis Japan
大西流星/なにわ男子
嶋崎斗亜/関西ジャニーズJr.
中村嶺亜/7 MEN 侍
川崎皇輝/5忍者
HiHi Jets、Sexy美少年、7 MEN 侍、5忍者、Jr.SP、なにわ男子、関西ジャニーズJr.
戸塚祥太(A.B.C-Z)、山下リオ、森口瑤子、伊武雅刀、横山裕
製作総指揮:ジャニー喜多川
監督:本木克英
脚本:石川勝己
脚本協力:川浪ナミヲ、高見健次
特別協力:法務省
企画協力:ジャニーズ事務所
制作プロダクション:松竹撮影所
配給:松竹
(c)映画「少年たち」製作委員会
※高地優吾の「高」は「ハシゴ高」が正式表記。
※嶋崎斗亜、川崎皇輝の「崎」は「たつさき」が正式表記。
※向井康二は現在、Snow Manとして活動。