Kis-My-Ft2 玉森裕太はいつも新鮮な魅力を発信するーー29歳の誕生日を前に近年の活躍を振り返る

 シャイなように見えて、ドキッとするようなエロティックな演技もサラリとこなしたり。人懐っこく笑ったかと思えば、スッと遠くを見つめたり。何事もないような顔をしながら、とんでもない過密スケジュールをこなしていたり。2枚目キャラかと思いきや、ラジオでは無茶振りの大喜利に挑戦したり。メンバーの宮田俊哉にツンツンした態度を取ったと思えば、コンサート後に一緒にシャワーを浴びるのだと明かしたり……そんな掴みきれないところに、私たちも心を揺さぶられるのだろう。

 次は、どんな顔を見せてくれるのか。彼の活躍を見届けるのは、そんな宝探しの旅に近い。特に近年、出演してきたドラマや映画では多くの発見があった。本人もインタビューで「『リバース』での経験が大きかった」と話しているように、2017年放送の湊かなえ原作×藤原竜也主演のドラマ『リバース』(TBS系)は、玉森にとって転機となった作品だ。誠実でありたいと願いながらも、どこかで心に影を落とす高校教師・浅見康介を雰囲気たっぷりにに演じた。もともと掴みどころのない玉森とミステリーの相性の良さも手伝って、自然な演技に磨きがかかった印象だ。

 そういった意味でも、最新作『パラレルワールド・ラブストーリー』にも大きな期待が高まる。先駆けて公開された予告映像では、『キスブサ』で鍛えられた恋人との仲睦まじいキスシーンから、『リバース』を彷彿とさせる大きな謎を前にした困惑と絶望の表情、そして舞台『DREAM BOYS』シリーズのような友情と葛藤にもがく姿などが映し出され、玉森がこれまで培ってきたものがギュッと凝縮されているかのような仕上がりに。108分の映画を見終えた先に待っているのは、また新しい玉森との出会い、そんな予感がする。いつも新鮮な魅力を発信してくれる玉森が、一体どこまで突き進んでくれるのか。そのザワめきを楽しみながら、この1年間の彼の歩みを見守りたい。

(文=佐藤結衣)

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