『スピードアップ』リリースインタビュー
noovy、現体制ラストインタビュー Hank卒業後も途切れぬ友情とそれぞれが進むべき道
卒業しても距離が離れることにはならない
――そもそも、Hankさんの卒業については、どんな風に話し合っていったんですか?
Shawn:Hankが「俳優になりたい」と思っていることは僕らもずっと知っていましたし、Hankがそれに悩んで、葛藤していたことも、僕らは感じていました。僕らは日本では共同生活をしていたので、そのときの日常の会話の中でも、そういう話は前から出てきていて。日本デビューアルバムの『LION』を発売した後に、みんなで卒業について話し合いました。Hankのことを考えても、「そろそろ、どっちにするのか決めた方がいいんじゃないかな」と思ったんです。
そのとき、僕らは「2か月ぐらいゆっくり考えてもらっていいから、自分の中で答えが出せるように考えて」と伝えて。その後に、もう一度みんなで話し合って決めることにしたんです。その結果、Hankは「やっぱり俳優の道に進んでみたい」という答えを出して。Hankのその気持ちは、僕たちもよく理解しましたし、僕らもHankの夢を応援していきたい、と思いました。それで今回の卒業が決まりました。
Hank:卒業については、ずっと考えていました。noovyは台湾と日本を行ったり来たりしていますけど、俳優の仕事をすると、どうしても長時間の拘束になるので、そうするとみんなに迷惑をかけてしまいます。それを両立することにもトライをしてみて、「今はnoovyを最優先にしよう」と考えたこともあったんですけど……「自分の夢を追いたい」という気持ちも同時にあって。どっちも中途半端になってしまうのはメンバーにも悪いし、それは嫌だな、と思って決断をすることにしました。
――Hankさんからすると、他のメンバーが頑張っているのを間近で見てきたからこそ「中途半端はよくない」、と。
Hank:そうですね。これはあるタイミングで正式に切り出したというものでもなくて、日本の共同生活の中でも、いつも話題になっていたことでした。
――「スピードアップ」は、今回のシングルとそのツアーを終えたあとに別々の道を行く、それぞれにとっての応援歌のようなものなのかもしれません。
Mark:そうですね。MVを撮影したときにそう感じました。MVのコンセプト自体も、「それぞれの道に旅立っていく」というものになっているんです。歌詞自体は、TVアニメのエンディングテーマということもあって偶然こうなった部分もあったと思いますけど、運命的に今の僕たちに色々なことが重なる曲になりました。
――この取材時点ではMVのティザーのみ上がっていますが――。
Shawn;僕らもまだ、最終版は観られていないんですよ。
レーベルスタッフ:フル尺のMVが完成したばかりなんですが、よかったら今観ますか?
――おおっ、ぜひお願いします!
Shawn:みんなで完成版を観ましょう(笑)。
――(MVを観ながら)……ああ。確かに、3人とHankさんがそれぞれの道を歩んでいくことが表現されていますね。これは撮影中、Hankさんも卒業を実感したんじゃないですか?
Hank:でも、正直に言うと、撮影しているときはそこまで実感が湧きませんでした。というか……もしかしたら、いまだに実感していないのかもしれないです。それもnoovyらしいと思うんですよ。MVが僕の卒業をテーマにしたストーリーになってはいても、撮影が終わったら、いつものようにみんなでワチャワチャしていたので。ただ、監督やスタッフさんとは「これが最後の仕事になるのかな」と感じました。カメラマンのみなさんにはデビュー前からお世話になっていて、アーティスト写真の撮影でも涙を流してくれました。
Shawn:でも僕ら自身は、Hankが卒業して同じバンドではなくなっても、同じ事務所で、これからも仲がいいことは変わらないと思うんです。いつでも会えるし、卒業したからといって距離が離れることにはならないのかな、と思っています。
Hank:「スピードアップ」のMV撮影のときも、Markのソロ撮影のときは横からちょっかいをかけて邪魔したりとか、いつもの僕らと変わらない雰囲気でした(笑)。
Shawn:Hankも言ってくれていたように、それってすごくnoovyらしいことだと思うんです。後で改めて、Hankの卒業を実感する瞬間が来るのかもしれないですけど……。
――とにかく、Hankさんが卒業しても、4人の友情は変わらないということですね。
4人:(急に口を揃えて)いえいえ、それは全然違いますね。違う違う。
――逆に仲のよさが出てしまってますよ……(笑)。
Shawn:(笑)。やっぱり、noovyにとっては日本で活動をはじめたこともすごく大きくて、最初に日本に来たときは、本当にまだ何もない中で、僕らは4人でずっと過ごして、その中で色んなことを一緒に頑張ってきたので。その経験は、これからも絶対に消えないものだと思うんです。今でも4人とも仲がいいですし、それはきっと変わらないことだと思います。
――Hankさん卒業までの時間を、どんな風に過ごしていこうと思っていますか?
Shawn:今はとにかく、悔いの残らないように、第一期noovyを最後までやりきりたいです。特に日本のファンの人たちは僕たちの知名度がゼロだった頃から応援してくれているので、今の4人のnoovyとして、ファンのみんなにとっても良い思い出を残したいです。
――では、ここまでの第一期noovyの中で、Hankさんと3人の思い出で特に印象に残っていることを聞かせてください。
Hank:たとえば、JKと僕はお互いに焼き鳥が大好きなので、一緒に全国の焼き鳥屋さんを回りました(笑)。一緒に色んな焼き鳥を食べたなぁ。
JK:色んなところに行ったよね。
――どこでの焼き鳥が美味しかったですか?
Hank&JK:大阪!!
――おお、まったく一緒ですね(笑)。
Hank:それから……日本でMarkと同じ部屋になったときは、寝ながら映画を観たのもいい思い出です。マクドナルドの一番大きなサイズのポテトを買ってきて、2人で『ハリー・ポッター』を観たりしていました。Shawnとはよく早起きして、一緒に明治神宮にお参りをしに行きました。朝6時30分頃に起きて、一緒に向かっていたんです。
――『ゾイドワイルド』の放送開始時間と同じですね(笑)。
Hank:お参りと『ゾイドワイルド』を観る以外ではそんなに早く起きられないです……(笑)。
――逆に3人が印象に残っている思い出というと?
JK:僕はUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)でHankと一緒に誕生日を過ごしたことですね。
Mark:僕はライブのこと。最初に日本に来たときから、Hankは一番ステージの前に出て演奏していたけど、当時はすごくかっこいい感じで弾いているのに、実際の演奏は全部間違えていたんです(笑)。僕はそれを後ろのドラムセットからずっと見てました……。すごく気持ちよさそうに倒れながら弾いたりもしていたけど、演奏としては全然出来ていなくて(笑)。でも、最近はギターもすごく上手くなりました。