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Ryohu、ミュージシャンとしての気概を示した『Ten-Twenty』ツアー東京公演

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 ラップはもちろん、プロデュースやビートメイクもこなすRyohuは、KANDYTOWN名義の作品はもちろん、メンバーのソロ作においてもブレーンのような役割を担う存在だ。小出祐介によるプロジェクトであるマテリアルクラブに参加したり、あいみょんへリミックスを提供したりと、彼の器用かつ多彩な面を証明してみせるような客演仕事も多い。そんなRyohuが、2018年の暮れに新作ミックステープ『Ten-Twenty』をリリースした。外部のプロデューサーらとともに、新曲に加え自身の過去の楽曲をリエディットしたこの作品は、ラッパーというよりも、アーティストとしての立ち位置を自ら振り返るような意味を持つ作品に仕上がっている。

 そんな『Ten-Twenty』の世界観をより立体的に創造するかのように行われたのが、今回の『Ten Twenty Tour 2019』だ。大阪・名古屋・福岡・長崎と廻り、最後の会場となったのが2月24日に渋谷wombで開催された東京公演である。開場後、まずステージに姿を見せたのは同じKANDYTOWNのメンバーであるKEIJU。最新EP『heartbreak e.p.』から数曲をパフォームした後に「明るい曲もやろうかな」とMCを挟み、Awich「Remember」、tofubeats「Lonely Nights」と人気の客演楽曲を披露。特に「Lonely Nights」はオーディエンスの合唱具合も素晴らしく、いち早く会場がヒートアップした瞬間でもあった。

 途中、インターバルを挟んでいよいよ本日の主役であるRyohuが登場する。バックミュージシャンはおらず、DJとRyohuだけというシンプルな構成のステージだ。一曲目はKANDYTOWNのMUDを伴った「Lux」でスタートし、一気に会場を盛り上げる。Ryohuは、派手なムーヴで猛々しく煽るタイプのラッパーではない。それゆえに、しっかりと自身のリリックを聞かせ、サウンドそのものを際立たせるようなステージ捌きである、という印象を強く受けた。続いて「8 Money」ではWONKのボーカリストであるKento NAGATSUKAが登場し、会場はアンビエントな空気に包まれていく。その後、間髪入れずにパフォームした「Downtown Boyz」では、Gottzが登場し、慣れた様子でバースをキック。そして、『Ten-Twenty』からのシングルカットにもなった「All In One (remix)」では、IOとKEIJUがステージに加わる。不思議なのは、KANDYTOWNのメンバーらが登場するたびに、全体を覆う空気が一気になじむような感覚を覚えることだ。Ryohuが一人で立つとソリッドな印象が漂うが、メンバーが入れ替わり立ち替わりRyohuの隣に立つたび、途端に空気感が変わっていく様子がとても興味深かった。

 SIMI LABのOMSBのビートによる「Vibes」のイントロが流れると、会場は硬質なヒップホップのバイブスに包まれる。途中で「Nas Is Like…」のビートとマッシュアップさせるなど、ライブならではのアレンジを経て、Ryohuが「Where The Hood At?」と客席に呼びかける。アーティストそれぞれの地元を歌ったこの曲、湘南エリアからin-d、そして東海エリアからCampanellaがステージに駆け付けた。三人揃ってフックを歌う際には、オーディエンス全体も手を挙げ、会場はこの日一番とも言えるようなハイライトに。

 ライブが進行していくにつれて、つくづくRyohuの技量に感嘆する。文字通り、マイク一本でステージの色を鮮やかに変えていくRyohuだが、ステージ登壇中のMCはごく最小限。だからこそ、マイクを通して伝えたいメッセージや世界観がまっすぐ伝わってくる。この日は、気鋭のグラフィックアーティストであるYOSHIROTTENが演出を担当し、背後に映し出されるスクリーンやライティングにまでこだわったステージを見せてくれた。一人で歌う「Song In Blue」の時には、真っ青なライトの中で叙情的に歌い、ピンスポットに照らされながら披露した「Call Your Name」ではなんとも言えないロマンティックなムードを演出して見せる。

      

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