Ryohu、ミュージシャンとしての気概を示した『Ten-Twenty』ツアー東京公演
ライブの後半戦前はあっという間で、MALIYAの華やかで力強いボーカルが非常に印象的だった「Nothing But A Blur」、そして、オーディエンスのクラップとともにスタートした「Ain’t No Holding Back」といった代表曲を次々と披露していく。特に後半、ハードなビートの「Shotgun Shuffle」や疾走感溢れる「Blue Rose」、そしてEP『blur』からの「Shapeless」を畳み掛けるようにパフォームするRyohuの姿からは、これまでにない迫力すら感じたほどだ。Donny Jointを呼び込み、新曲となる「Don’t You Know」の後、「YUSHIという昔からの仲間が亡くなった時に作った曲。新し友達や昔からの仲間について歌った。ふと、誰かのことを想う時、その人はもういないかも。だから、繋がりは大事だなって」とオーディエンスに伝え、「Forever」でライブ本編を締めくくった。オーディエンスからはスマホのライトが照らされ、エモーショナルな高揚感が会場を包んだ。
そして、最後に嬉しいサプライズが。アンコールとして披露してくれたのは、2月14日にリリースされたばかりのKANDYTOWN名義での新作『LOCAL SERVICE』からの一曲、「Till I Die」。ステージにはクルーからBSC、MASATO、そしてIOの3名が登場し、KANDYTOWNとしての新たなムーブメントを期待させるような一幕でもあった。約60分間というタイトな尺でのワンマンライブだったが、ステージを操るRyohuの、ミュージシャンとしての気概を十分に感じることができた充実したライブであった。なお、今回のライブの模様は3月12日にSPACESHOWER TV Black Fileにて放送される。
■渡辺 志保
1984年広島市生まれ。おもにヒップホップやR&Bなどにまつわる文筆のほか、歌詞対訳、ラジオMCや司会業も行う。
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