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あいみょんの躍進はここからまた始まったーー『AIMYON BUDOKAN -1995-』を振り返る

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 あいみょんの弾き語りワンマンライブ『AIMYON BUDOKAN -1995-』から2週間経った今も、あいみょんにまつわる様々な情報が止まらない。まるであの武道館公演が、その後の活動を加速させたかのようにーー。あの日のライブは、あいみょんというアーティストの原点と未来を同時に感じさせるものだった。

 昨年はドラマ『獣になれない私たち』の主題歌や『第69回NHK紅白歌合戦』出場など、お茶の間層への認知を大きく広げる活躍を見せたあいみょん。最新のストリーミングソングチャートにおいても上位10曲のうち5曲があいみょんの楽曲だ(Billboard JAPANストリーミング・ソング 2019年2月11日〜13日集計)。そのような状況を物語るように、10代から親子連れまで幅広い客層の人たちが武道館に詰めかけた。

 観客がぐるりと囲むセンターステージにあいみょんが登場。黄色いジャケットとパンツ姿で1曲目に歌ったのは、「マリーゴールド」だった。ピンスポットの明かりだけが落ちる静けさの中、〈麦わらの帽子の君が〉と「マリーゴールド」のサビの一節を歌うあいみょんの声だけが響く。

 やわらかな表情で歌うあいみょんだったが、歌声には「私の歌はこれだ」と言わんばかりの迫力がある。『瞬間的シックスセンス』のインタビューでも語っていたように、「マリーゴールド」はあいみょんが絶対的な自信を持つ一曲だ。瞬間の衝動を大事にするあいみょんの「この歌を一番最初に歌いたい!」という思いがこもった1曲目のセレクトに、一瞬にして心を掴まれた。

 その後の「愛を伝えたいだとか」は、もともと打ち込みのビートと跳ねるベースが象徴的なファンキーな楽曲だが、ギター一本のアレンジで原曲との違いを聴かせる。「満月の夜なら」では、観客の手拍子のリズムに合わせて演奏するなど、弾き語りならではの自由な表現で楽しませた。

 中盤のMCでは、あいみょんが事務所にスカウトを受けた18歳の頃の話も。その当時は、大阪・梅田の路上で弾き語りをしていて、つい2年ほど前には渋谷のTSUTAYA前で弾き語りライブをしていたという。梅田での路上ライブは見たことがないが、「満月の夜なら」で見せたような観客を巻き込んだパフォーマンスは、その頃に培ったものなのかもしれない。

 19歳で発表したデビュー曲「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」の披露では、サビのインパクトに心を打たれた当時の記憶を思い出した人もいたことだろう。同じくインディーズ時代の「どうせ死ぬなら」「○○ちゃん」など、あいみょんというアーティストを形成した楽曲も、しっかりと聴かせた。

写真=永峰拓也

 圧倒的なライブを繰り広げる中、いくつかの場面であいみょんの人間味を垣間見ることができた。途中の20分間休憩で流れたあいみょん制作のラジオ放送『SNACK TIME RADIO』では、○○ちゃんを音声で登場させ会場にどよめきが起こる。ある意味この日のハイライトにもなった〈「死んだ友達がさぁ」って語れば売れんのか?〉から始まる「いつまでも」の披露では、歌詞を一瞬飛ばしてしまい溢れる思いを語り出したあいみょん。「ゴッホにはなりたくない。生きてるうちに評価されたい」ーーその強い気持ちにファンから大きな拍手が送られたのだった。さらに、デビューして4年、ずっと支えてくれたマネージャーの中村氏をステージに呼び、涙ながらに感謝を語る。それらすべてはステージにひとりきりというスタイルが起こした幸運な演出だったと言える。

      

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