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森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.137

あいみょん、CHAI、吉田凜音……明確な意志を備えた女性シンガーの新作

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分島花音
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 性別によって何かを分かることに何の意味もないが、これまでの価値観を覆すような、独創的な音楽性を持った女性アーティストが続々と登場していることは、疑いようのない事実だろう。今回はあいみょん、CHAIなど、ポピュラリティ、音楽的クオリティ、明確な意志を備えた女性アーティストの新作を紹介したい。

あいみょん『瞬間的シックスセンス』

 シングル『満月の夜なら』『マリーゴールド』のロングヒット、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への出演、初の日本武道館公演(2月18日)など、名実ともに完全にブレイクを果たし(特にサブスクでの圧倒的な人気は凄まじい!)、新世代シンガーソングライターの旗手となったあいみょんの2ndアルバム。初のドラマ主題歌「今夜このまま」(日本テレビ系ドラマ『獣になれない私たち』主題歌)をはじめとするタイアップ曲も含まれているが、本作の軸になっているのは『瞬間的シックスセンス』というタイトルの通り、彼女自身の直感や生命力がリアルに感じ取れることだろう。揺れ動く刹那的な恋愛感情をリリカルに描いた「恋をしたから」、〈平成うまれのカリスマが/溢れる世の中についてけない〉と歌うパンクチューン「夢追いベンガル」。生と性をしっかりと刻み込みながら、多くのリスナーが共感できるポップスへとつなげる。“ウソのなさ”と“わかりやすさ”をここまでダイレクトに結び付けられるシンガーソングライターは本当に稀だと思う。

あいみょん – 今夜このまま【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

CHAI『PUNK』

 アメリカの人気インディーレーベル<BURGER Records>と契約、アメリカ西海岸ツアーと2度目の『SXSW』出演を皮切りに、欧米でのツアー、フェス出演、メディアでの露出を増やす一方、日本でもパナソニック、GUなどの企業とタイアップするなど、あらゆる方向で活動の幅を広げまくっているCHAI。“コンプレックスはアートだ”というコンセプトを軸に一気に知名度を上げた彼女たちの2ndアルバム『PUNK』は、“やりたいことをやりまくる”がそのまま世界基準のポップミュージックに直結してしまう、日本のバンドとしてはほとんど前代未聞の状態となっている。ニューウェイブ、インディー系ギターポップ、ファンク、ディスコなどを自由にぶち込み、超ポジティブなバイブレーションとともに世界中のオーディエンスを踊らせまくるーー世界各地で起きている現象がそのまま映し出された傑作。豊かで刺激的な低音を軸にした、サウンドメイクの素晴らしさにも注目してほしい。

CHAI『CHOOSE GO!』Official Music Video

杏沙子『フェルマータ』(通常盤)

 オーセンティックにしてブランニュー。親の影響で幼少の頃から松田聖子、槇原敬之、DREAMS COME TRUEなどに親しみ、大学生の頃からシンガーソングライターとして活動をスタートさせた杏沙子。昨年の夏にミニアルバム『花火の魔法』にて待望のメジャーデビューを果たした彼女の1stフルアルバム『フェルマータ』は、80〜90年代の良質なJ-POPを引き継ぎながら、新鮮な響きを備えたポップスをたっぷり堪能できる仕上がり。軽快なスカビートと“恋のウイルス”をテーマにした歌詞が一つになった「恋の予防接種」、しなやかなダンスビートと流麗なホーンセクションが極上のグルーヴを生み出す「チョコレートボックス」など、瞬発力と味わい深さを同時に描き出す楽曲からは、彼女自身の歌の魅力はもちろん、宮川弾、山本隆二、富田恵一など、優れたクリエイターをバランスよく配置したプロダクションの確かさが感じられる。

杏沙子「恋の予防接種」ミュージックビデオ(Short Version)

      

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