乃木坂46 西野七瀬、卒業コンサートがいよいよ開催 ソロ/ユニット曲で振り返るメンバーとの絆

他の星から(6thシングル『ガールズルール』、1stアルバム『透明な色』収録)

「他の星から」MV

 西野がセンターのユニット曲で、彼女が参加するユニットとしては初めてMVが制作された楽曲。2014年に実施したファン投票によるシングルカップリング曲ランキングにおいて見事1位に輝き、1stアルバム『透明な色』の1曲目に収録された人気曲でもある。オリジナルメンバーは、西野のほか井上小百合、斉藤優里、桜井玲香、中田花奈と卒業した伊藤万理華、若月佑美の7名。その後、このメンバーで「僕が行かなきゃ誰が行くんだ?」、「隙間」と計3曲のユニット曲が制作された。2017年に開催され、伊藤の卒業前ラストライブとなった東京ドーム公演では「他の星から」が披露され、間奏ではそれぞれのソロダンスへと展開していった。すでに「僕が行かなきゃ誰が行くんだ?」が、3期生を新メンバーとして迎える形式で初日に披露しており、「他の星から」や「隙間」においても3期生がそのポジションを担うことが予想される。しかし、昨年12月に開催された若月の卒業セレモニーにて「他の星から」が披露されなかったことから、サプライズの演出に期待したいところでもある。

無口なライオン(9thシングル『夏のFree&Easy』、1stアルバム『透明な色』収録)

乃木坂46 『無口なライオン』Short Ver.

 オリジナルメンバーはセンターの西野のほか、井上、斉藤、桜井、星野みなみ、堀未央奈、卒業メンバーの生駒里奈、若月の8名。西野の20歳の誕生日に撮影された「無口なライオン」MVは、西野と若月が演じる2人の少女の友情が描かれており、10thシングル『何度目の青空か?』に収録されている西野の個人PV「天体望遠鏡」、『命は美しい』に収録のペアPV「インスタントカメラ」と3部作にて完結する作品となっている。西野センター楽曲ではあるものの、MVが象徴するように西野と若月のWセンターに近い楽曲であり、この若月のポジションをどのメンバーが務めるのかが見どころでもある。ちなみに、この楽曲も若月の卒業セレモニーにて披露されてはいない。

「心のモノローグ」(21stシングル『ジコチューで行こう!』収録)

乃木坂46 『心のモノローグ』Short Ver.

 西野と白石麻衣による乃木坂46のツートップユニット。昨年開催された『真夏の全国ツアー2018』にて披露されたものの、その直後に西野が卒業を発表し、オリジナルメンバーでのパフォーマンスは数えるほどになってしまった。この2人には、Wセンターやシンメトリーの楽曲が多くあり、言葉を交わさずとも心を共鳴させてきた。「シンクロニシティ」にて、日本レコード大賞を受賞した瞬間、2人が抱き合ったその姿に固い絆が示されている。初期の頃から白石の背中を目標にし、グループを牽引する立場となった西野。17thシングル「インフルエンサー」をはじめ、乃木坂46として西野と白石が並ぶのは最後の機会となる。

ごめんね ずっと・・・(11thシングル『命は美しい』収録)

乃木坂46 『ごめんね ずっと・・・』Short Ver.

 西野には先述した楽曲を含め、6曲のソロ曲が存在する。中でも、西野を象徴する楽曲が「ごめんね ずっと・・・」ではないだろうか。22ndシングル『帰り道は遠回りしたくなる』の特典映像『Documentary of 西野七瀬~あなたとあの季節に出逢えてよかった~』では、バックに「ごめんね ずっと・・・」が流れる。これまで何度もライブで披露されてきた曲だが、卒業を迎える今聴くと、まるで西野が密かに抱えてきた思いが描かれているかのようだ。

 ほかにも白石とのダブルセンター「きっかけ」、齋藤飛鳥、卒業メンバーの伊藤万理華とのユニット・ナスカでの「Another Ghost」など、まだまだ触れるべき楽曲は多くある。また、高山や白石とだけではなく、秋元真夏や齋藤飛鳥、生田絵梨花、与田祐希、軍団・スイカ(斉藤、伊藤かりん、伊藤純奈)といった様々なドラマがあったメンバーと最後の時を過ごすのか。かつて、泣いてばかりだった西野は、もうどこにもいない。西野の卒業コンサートをもって、乃木坂46は8年目という新しいドアを開き、さらなる高みへと進んでいく。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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