『温泉むすめ 4th LIVE“NOW ON☆SENSATION!!” ~聖夜にワッチョイナ Vol.2~』レポート
『温泉むすめ』が体現したコンテンツの多様性 個性豊かなグループが彩った4thライブレポ
日本全国の温泉地をモチーフにキャラクター化した人気コンテンツ『温泉むすめ』。そのキャラクターが一堂に会した音楽ライブイベント『温泉むすめ 4th LIVE“NOW ON☆SENSATION!!” ~聖夜にワッチョイナ Vol.2~』が、12月22日に神奈川・カルッツかわさき大ホールで、昼と夜の2公演で開催された。キャラクターを演じる声優21名がそれぞれのユニットでライブを行ったほか、ライブデビューのキャラクターや当日限定の選抜ユニットもあり、その日限りの内容が満載とあって全国からファンが大集結。地域活性クロスメディアコンテンツとしての熱気、盛り上がりの一旦を目の当たりにした。
『温泉むすめ』は、全国の温泉地をモチーフにした可愛らしい“温泉むすめ”たちが、アイドル活動をすることで日本各地の温泉地の魅力を国内外に発信する目的で2016年にスタートした。これまでにラジオ、CD、ノベル、コミック、といったさまざまなメディアで物語が展開され、2018年にはスマホゲーム『温泉むすめ ゆのはなこれくしょん』をリリースしている。定期的に開催されている音楽ライブも好評で、今回で4回目を迎えた。
まず9人組の“SPRiNGS”が登場すると、一気に興奮が高まった会場。草津結衣奈を演じる高田憂希が、「みなさん“ワッチョイナ”!」と挨拶すると、何倍もの声で返事が返ってきた。SPRiNGSは、誰からも愛される王道のアイドルユニットといった雰囲気で、「70億分の9の奇跡」など、ポップな楽曲を披露。元気なダンスと共に歌唱すると、観客は推しの色のペンライトを振りながらかけ声をかけて盛り上がり、会場は1曲目から爆発せんばかりの熱気で包まれた。MCは各キャラクターになって繰り広げられ、まさしく『温むす』の世界が目の前に広がったといった雰囲気。そのSPRiNGSからは、篠田みなみが演じる道後泉海のソロ曲「うぇるかむ to ONSEN!」も披露され、ノリのいいダンスチューンに観客が「フッフー!」とかけ声かけて盛り上がった。MCでは「(ソロで歌うと)道後温泉を背負ってるんだと実感します」と緊張した様子だったが、SPRiNGSのメンバーからのフォローも手伝って、ソロの大役を見事に果たしていた。
「SPRiNGSは下がっていなさい! 私の情熱で素敵なところに連れて行ってあげるわ」と、上から目線の口調で登場したのは、楠木ともりが演じる大手町梨稟。『温泉むすめ』初のソロプロジェクトである彼女が歌った「Passionate Journey」は温泉のように熱いロックチューンで、スタンドマイクを使ったパフォーマンスが実にかっこいい。「願いキラキラきらり」という曲では「声出しなさい!」という問いかけに〈オイ!オイ!〉とかけ声が上がり、その様子に嬉しそうな笑顔をきらめかせ、ライブデビューとは思えない迫力のあるパフォーマンスで観客を圧倒した。
3人組の“OH YOU LADY?”も、この日がライブデビューとなった。“いわきあろは”を演じる大坪由佳を中心に、「OH YOUは、自由だから」と、MCはフリー。ライブに向けてやったことなどトークを展開して盛り上がる。楽曲「レイニーボーイフレンド」は、どこか昭和の歌謡曲感のある雰囲気で、手振りもかわいらしく、それをマネして一緒に踊るお客さんも多数いた。「ぽかぽか音頭」は文字通り盆踊り調で、「アッソーレ!」などかけ声もユーモアたっぷり。会場は一気に、季節外れの盆踊り大会になった。