JP THE WAVYからKOHH、SKY-HI、SALUまで 日韓ラッパーのコラボが活発化
2018年にはさらに多くの日韓コラボラップが発表された。まずはSKY-HIとReddyによる「I Think, I Sing, I Say」と「Stand by You」、そしてSALUとJa Mezz(ジャ・メズ)の「Pink is the New Black」、同じくSALUとPaloalto(パロアルト)による「Two Dawgz and The Ape」(TeddyLoidプロデュース)、そしてSKY-HIとHUNGER(GAGLE)、Ja Mezzによる「Name Tag - Remix」などだ。実はこれらの楽曲は本稿の筆者である私、鳥居咲子が制作に関与しているためここで紹介するのは躊躇したのだが、今の日韓コラボの活発さを知らせる上で欠かせないのでご容赦いただきたい。
同じアーティストの名前が並んだのは半分偶然だが、半分必然だ。最初は1曲だけのコラボレーションだった予定が、その楽しさを覚えて第2弾、第3弾と続いていったのである。これは恐らくKOHHやLootaも同じだったのではないだろうか。お互いの言語でラップすることは、ラッパーとしてとてもチャレンジングであり興味深いことだ。お互いの国のシーンについて語り合い、異なる文化に触れ、言語によるフロウの違いや制作手順の違いなどを肌で感じることはかなり刺激になる。
2018年にはこれ以外にもEPIK HIGHとSEKAI NO OWARIのコラボシングル「Sleeping Beauty」、それからEKが参加した宇多田ヒカルのトラック「Too Proud featuring XZT, Suboi, EK (L1 Remix)」などがリリースされた。この1年でどれだけ日韓ラッパーのコラボレーションが活発化しているかお分かりいただけるだろう。
ちなみに冒頭で取り上げたSik-Kも日本人とのコラボレーション楽曲を1曲リリースしている。LAで活躍する日本人プロデューサー・starRoのトラック「HANG OVER」のリミックスに鋼田テフロン、ROMderfulと共にフィーチャリングされたのだ。同曲のオリジナルバージョンを聴いたSik-Kが衝撃を受け、コラボが実現したという。
以上のように、明らかにお互いの国のラップシーンを強く意識し始めた日本と韓国。今年はどんなコラボを繰り広げていくのか楽しみである。制作者としても多くのトラックに 携わることができれば幸いだが、単純に1人のライターとしても驚くようなコラボが登場することを期待したい。
■鳥居咲子
韓国ヒップホップ・キュレーター。ライブ主催、記事執筆、メディア出演、楽曲リリースのコーディネートなど韓国ヒップホップにおいて多方面に活躍中。著書に『ヒップホップコリア』。
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