EXILE HIRO「ボーダーを越えたコラボレーションの場に」 「EXPG STUDIO」LA校がオープン
オープン前日には、「EXPG STUDIO」の立役者であるEXILE AKIRAと小林直己からも話を聞くことができた。AKIRAは、「2003年にEXPGの立ち上げメンバーとして携わってから16年の時を経て、ようやくLAにまで広がったというのは感慨深い。こういう形でダンスに貢献するのが、アメリカのシーンに学んできた僕らならではの恩返し」と笑顔を見せ、小林直己は、「EXPGは新人育成の場としても機能してきた。SAYAKA(E-girls)や小森隼(GENERATIONS)は子供の頃からダンスを教えてきて、今はLDHの原動力になっている」と、同スタジオが次世代のスターを育てる場となることに期待をかける。俳優としてハリウッドでの活躍を目指す二人にとっても、同スタジオは学びの場であり、現地のアクティングコーチから指導を受けているとのことだ。
同スタジオは登録制で、すでに多くの登録者がいるという。アメリカからの新人発掘、育成を掲げるショーン・エバリストは、「EXPGから、THE RAMPAGEのような若手のアーティストが生まれるのを何度も見てきた。アメリカの良いところとLDHの良いところを掛け合わせて、新しい人材を育てていきたい。いずれはEXILEのように、ダンサーがただのバックダンサーではなく、一人のアーティストとして認められるような環境を、アメリカにも作り上げたい」と、現地のダンサーたちにとっての次なるビジョンも見据えている。
ニューヨークで開催しているストリートダンスのイベント『HOUSE OF EXILE』や、毎年ロサンゼルスで行われる北米最大規模の日本アニメ・コンベンション『Anime Expo 2018』で開催した『OTAQUEST LIVE』など、着々とアメリカでの展開を進めてきたLDH。近年はアジア発のカルチャーが世界的に大きな注目を集めており、LDHにも追い風が吹いているのかもしれない。EXILE HIROは、「海外のクリエイターやアーティストと接すれば接するほど、今はアジア人に大きな期待が寄せられていると感じる。中国をはじめとしたアジアの“Z世代”と呼ばれる若者の人口は本当に多くて、これからのユースカルチャーは、巨大なマーケットを形成している彼らの購買意欲やセンスが牽引していくと言われている。日本は若者人口が減少しているけれど、アジアの先進国として成熟したカルチャーがあるので、世界に打って出るには大きなチャンスだと感じている。実際、日本や東京は、ブランドとしての価値が高まっている」と、将来への期待を述べた。
同スタジオでは、日本からの留学コースも用意しており、すでに応募者数は定員に達しているという。LDHのエンタテインメントの発信基地として、グローバルな展開が予感される同スタジオ。近い将来、世界中のアーティストやダンサーにとっての聖地となっている可能性もありそうだ。
(取材・文=松田広宣)