NEWSを応援せずにはいられない アリーナツアー『EPCOTIA』映像から感じた“愛される理由”

 そんな名場面が多い楽曲は、ディスク3でマルチアングル映像として収められている。マルチアングル映像は「LIVE」と「BLACKHOLE」「EROTICA」「U R not alone」の4曲。イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ……、それぞれのシーンで誰を映したいか、メンバーの名前をチェックしてプレイすると自分だけのカメラ割りで楽しめる。かゆいところに手が届くとは、まさにこのことだ。

 どうしてもテレビやライブ映像では、歌割りに応じてカメラが抜かれるもの。そこで個人的に「BLACKHOLE」はマルチアングル映像で、歌い終わりのメンバーをカメラが追いかける形で設定して、再生ボタンを押してみた。自分のパートを歌い上げた達成感をにじませながら、次のパートを歌うメンバーを盛り上げようと、ダンスを踊る、ハモる……。当たり前だが、その健気な姿勢を追っていくと、グッと胸に迫るものがある。そして“この瞬間、別のメンバーはどんな仕事ぶりなのだろう?”と、何度だって楽しめてしまう。その繰り返しの中で、個性豊かな4人の魅力が、さらに深掘りされていくのだ。きっと編集を通じて、スタッフたちもそんな気持ちになったからこそ、ファンの心理が“わかってる”のかもしれない。

 そんな“わかってる”スタッフとファンによって作られた、“EPCOTIA”という名のユートピア。愛情たっぷりの中で、自由にのびのびと遊び回る4人は、とても素直で可愛らしい。会場を煽るノリでスタッフにも声出しをしてもらったり、暑いからとファンの応援うちわであおいでもらったり、すぐふざける手越に3人が怒ったり、そして客席のサプライズに涙を浮かべたり……。喜んで、怒って、泣いて、また笑って。NEWSが愛される理由は、喜怒哀楽が全力だからかもしれない。

 〈ああどうか 力を貸してくれないか〉。命を燃やすように、4人が力の限り歌う「U R not alone」を見れば、誰もが彼らを応援せずにはいられないだろう。NEWSは、たくさんの壁を乗り越えてきたグループだ。もしかしたら誰よりも人間の弱さを、そして人は誰かに生かされているということを知っているアイドルかもしれない。だからこそ、ファンやスタッフが力を貸す意義が見えてくる。応援する意味がある。この愛情でつながったNEWSクルーの旅。2019年の行き先が楽しみだ。

(文=佐藤結衣)

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