テミン、ジョンヒョン、キー、オンユ……SHINee、それぞれの個性溢れるソロ活動
2018年にデビュー10周年を迎えたSHINee。デビューした時はメンバー全員10代という若さだった。そんな彼らもいつの間にか成熟した男性へと成長し、グループ活動以外にソロ活動も活発になってきた。特に今年は、先にソロとして活躍してきたテミン、ジョンヒョンに続き、キー、オンユもソロデビューを果たした。
今回のコラムでは、SHINeeのそれぞれのソロ活動についてまとめて考察してみたいと思う。
様々な経験を経て生まれたテミンの色
SHINeeのメンバーの中で最初にソロデビューをしたのは、末っ子のテミンだった。何度かリアルサウンドのコラムでも彼のソロ活動については触れているが、韓国でソロデビューをしてから4年というキャリアになる。
ミニアルバム『ACE』でデビューをしたテミンは、SHINeeの可愛らしいテミンとは全く違う姿でファンを魅了した。「Danger」ではプラチナブロンドに目の周りを黒く塗ったゴシックメイク。ファンからは“Dangerオッパ(兄さん)”と呼ばれ、少年っぽさを残しながらもセクシーなテミンを表現した。
その後もコンスタンスに韓国でのソロ活動を行い、2016年に『さよならひとり』で日本デビューも果たしたテミンは、今年は日本で初のフルアルバム『TAEMIN』をリリースする。まさに名前の通り、このアルバムには「Danger」から最新曲「Under My Skin」まで今までのテミンがソロ活動がぎゅっと詰まったアルバムに仕上がっている。
2カ月に及ぶ日本でのホールツアーとアリーナツアーを終えたテミンは、すっかり少年から大人になった。SHINeeやソロ活動で様々な経験を積み、得意とするダンスだけでなく、歌手としての表現力もつけ、ライブの中ではエンターテイナーとしてのテミンを身につけた。その中で彼は自らの個性をしっかり確立させたのではないだろうか。
多彩な音楽的表現力を持つジョンヒョン
テミンの後にソロデビューをしたのは、ジョンヒョンだ。ソロ活動をする前から、作詞作曲を行ってきた彼は『BASE』でソロデビューを果たす。タイトル曲「CRAZY」はジョンヒョンの表現力を堪能できるロックチューンだ。
ジョンヒョンの音楽の世界は幅広い。「CRAZY」のような激しいサウンドを聞かせたかと思えば、「She Is」のようなポップでキャッチーな世界も見せてくれる。そして「End of a Day」では、私たちに寄りそうように優しい声で語りかけ包み込んでくれるのだ。
「End of a Day」は、ジョンヒョンが担当していたラジオ番組のコーナーの中でファンの投稿から生まれた曲だ。“お疲れ様でした。本当に大変でしたね。あなたは私の誇りです”と最後にリスナーに語りかけるように終わるこの曲は、ジョンヒョンが持つ包み込むような温かさや優しさを音楽を通して感じられる。聞くとほっとする癒しの1曲だ。
昨年頭にリリースされた遺作『Poet | Artist』は2018年の米ビルボード「今年のベストK-POPアルバム20」で2位に選ばれた。タイトル通り明るく輝くような「Shinin」から始まり、最後のバラード曲「僕たちは春が来る前に」まで彼の多彩な音楽的才能と作家としての表現力を11曲を通して感じることができる。“Poet | Artist”は彼がなりたかった姿だというが、まさに彼のためにある言葉なのかもしれない。
自分の個性を音楽以外にも生かしたキー
2018年には、キーがフルアルバム『FACE』でソロデビューを果たした。SHINeeのメンバーの中でもひときわ個性的な彼が歌手としてどんな世界を作り上げてくれるのか? という期待通り、感度の高い彼らしく今のトレンドを追ったサウンドに仕上げてきた。そして、今回もキーのファッションは注目を浴びた。
全体的にはポップでダンサブルで心地よく聴けるサウンドだが、彼の個性を活かしながらも、一番SHINeeに近い音楽性だとも感じた。以前日本のコンサートで披露した「Born To Shine」のようにEDMサウンドを予想していたので、少し意外でもあった。
そして、今話題のアーティストたちと共演していることから、キーの人脈の広さを感じさせる。タイトル曲「Forever Yours」では元SISTARのソユがフューチャリングされている。他にもCrushやVINXENと言う今年の韓国音楽界を賑わせたアーティストたちが参加した。
12月26日にはミニアルバム『Hologram』でも日本デビューを果たし、オリコンデイリーアルバムランキングでも初登場1位を獲得した。このアルバムではジャケットのイラストを人気イラストレーターのchocomooが手がけ、楽曲ではL'Arc-en-CielのTETSUYAや、CoCoが参加している。また『KEY LAND』と題された日本でのソロライブイベントでは、ファッションショーやトークを交えた新たな形のショースタイルを展開。しっかり“KEY色”を出している。キーだからこそ生まれる世界観に今後も期待したい。