>  > BTS、世界的ヒットの理由とブームの行方

K-POP2018年振り返り座談会前編

BTS(防弾少年団)、世界的ヒットの理由とブームの行方 K-POPライター4名が語り合う

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 BTS(防弾少年団)のアルバム『LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’』『LOVE YOURSELF 結 ’Answer’』がアメリカの「ビルボードチャート200」で1位を獲得するなど、K-POPが国境を越えて多くのリスナーに支持された2018年。そこで当サイトでも多くのK-POPに関するコラムを執筆している、まつもとたくお氏、桑畑優香氏、西門香央里氏、DJ泡沫氏のライター4名を招き、K-POPシーンの1年を振り返る座談会を行なった。前編となる今回は、BTSの世界的ヒットについてじっくりと語ってもらった。(編集部)

BTSの人気がアメリカにも広まった理由は?

ーー2018年は何と言ってもBTS(防弾少年団)の世界的ヒットが印象的でした。

西門香央里(以下、西門):BTSは以前から特に日本で人気があったイメージなので、急に人気になったというよりは徐々に来たのかな、と。アメリカのビルボードで1位を取った時は驚きましたが。その前からK-POPグループはアメリカ進出を試みていましたが、失敗を繰り返してきました。ようやくうまくいったのがBTSなのかもしれません。

DJ泡沫:BTSは意外にもチャートで1位を取るまでに2年ぐらいかかったんですけど、デビュー当時から同時期のデビュー組の中では断然目立っていて。ファンの間ではいつかブレイクするだろうな、という雰囲気はありました。

ーーいつ頃からブレイクを実感されてましたか?

西門:『WINGS』(2016年)じゃないでしょうか。

まつもとたくお(以下、まつもと):コンセプチュアルな内容で、少年から成長する過程を描いたようなアルバムでしたね。

DJ泡沫:ただ、その前の『花様年華』(2015年)で大きく路線が変わったんですよね。それまでは「ホルモン戦争」や「Boy In Luv(サンナムジャ)」のような、等身大の高校生の気持ち、自分の本音を歌っているような内容で。「I NEED U」(『花様年華 pt.1』収録)でかなり路線が変わりました。

西門:あれはびっくりしましたね。

DJ泡沫:こういう曲も歌うんだ、って。ティーザーを見て、BIGBANGの「HaruHaru」や「コジンマル(嘘、LIES)」をイメージした人も多かったようです。BIGBANGも初期はヒップホップ色強めだったのが、ちょっとメロディアスで切ない曲でブレイクして。韓国の若者やアイドルファンにはそういう曲が人気みたいなんですよね。それで、ファン層が一気に広がった。でも、世界的に売れ始めたのはやはり『WINGS』ですね。

ーーもともと韓国や日本では人気がありましたが、2018年はアメリカにも一気に広まった印象があります。

DJ泡沫:そうですね。ただBTSはデビュー直後から毎年アメリカに行ってライブをやっていたので、アメリカのファンの間では認知度が高かったと思います。だから多分、欧米の若者たちにも受け入れられる素地はあったんでしょうね。

桑畑優香(以下、桑畑):私がアメリカで彼らが何かを起こしてるな、と思ったのは『花様年華』(2015年)の時ですかね。洋楽を好んで聴いている人もBTSを気にしていたので、彼らの曲はいわゆるK-POPとはちょっと違うのかな、という印象を受けました。2017年の春頃には、ハリウッド系のメディアから防弾少年団って知ってますか? って聞かれたんですよ。その頃からもしかして他のグループと違う動きをしているのかな、と。「ビルボード200」で1位になった辺りから日本のメディアが一気にざわつき出したのは感じました。

ーービルボードといえば、「トップ・ソーシャル・アーティスト賞」を2年連続で受賞しましたね。

DJ泡沫:これまで6年連続でファンが熱狂的で有名なジャスティン・ビーバーが取っていた賞を彼らが受賞して、アメリカのメディアも驚いたと思います。ビルボードはストリーミングとダウンロードとフィジカルを分けて点数化しているのですが、BTSはフィジカルの割合がすごく高い。KPOPアイドルには多いですが4パターンくらいCDをリリースしていて、音源主流のアメリカでは韓国と同様にもはやグッズ扱いなんですよね。だから、BTSが単純にアメリカでアーティストとしてウケたっていうのとはちょっと違うのかなって。私はヴィジュアル面も含めてアニメなどの二次元カルチャーがアメリカで定着したのと似たような印象があります。

桑畑:私は先日アラブに引っ越した友人に10年ぶりに会って。「K-POPってあなたの国でも流行ってる?」って聞いたら、彼女もBTSのファンでした。そこでも世界的ブームを感じましたね。

DJ泡沫:英語圏で人気が出てインタビューなどが英語で訳されると、多くの国の人に広まるんですよね。それをさらに自分の国の言葉に訳して広げて。スペイン語圏と英語圏で人気が出ると、言語的にすごく他の国にも広まりやすいと思います。

桑畑:夏にアメリカに行った時に、留学している日本の高校生に「サマースクールにBTSのファンっていた?」って聞いたら、留学生や、いわゆるマイノリティの人たちにファンが多いかなって言われて。あとは南米とかに多いみたいです。とは言え、アメリカは広いから地域によって差が大きいかもしれません。ロスやニューヨークでは人気だけど、保守的な地域では広がりにくい、とかもありそうですね。

西門:欧米ではグループアイドル文化が盛んではないので、One Directionの前だと、Backstreet Boysまで遡ることになる。個人的には、BTSが白人でもなく黒人でもない、アジア系なのもポイントなのかな、と。アジア人だからこそ、ファンの間口が広いのかもしれません。

      

「BTS(防弾少年団)、世界的ヒットの理由とブームの行方 K-POPライター4名が語り合う」のページです。の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版