2PM ニックン、初のソロコンサートで誓った未来への決意 ファンとの絆感じたファイナル公演レポ

ニックン、ソロコン最終公演レポ

「本人のこだわりがあふれたステージに仕上がってます」

 会場の入り口で会ったレーベルの担当者の言葉を聞いて、さらに期待が高まった。「選曲や舞台セットまで、ニックン自身がアイディアを出した」というステージには、果たしてどのような世界観が投影されているのだろうかーー。

 2PMのニックンが、満を持して行った自身初のソロコンサートは、11月に大阪・オリックス劇場からスタートし、12月22日、東京・中野サンプラザホールでファイナルを迎えた。

 客電が落ちると、闇に浮かび上がる赤いペンライト。赤のライトに照らされたステージに、バンドが奏でるイントロが響く。「ニックン! ニックン!」万雷のコールの中、ステージ正面のドアが開き、赤のスーツをまとったニックンが笑顔で登場。レッドはニックンのメンバーカラーだ。

 赤く輝くピアノで奏で始めたのは、12月19日にリリースされたばかりのミニアルバム『ME』からの「HOME」だ。心地よい歌声に包まれ、ホールはニックンのホームパーティー会場へ一気にトリップ。

 4thアルバム『2PM OF 2PM』のソロ曲「Miss Wonderful」、テギョンと歌ったドラマ『ドリームハイ』挿入歌「My Valentine」と懐かしい曲を続けた後、LP版のレコードを手にしたニックン。

 「僕の彼女になりたいですか?」と言いながらニックンがステージ後方を振り返ると、スポットライトが蓄音機を照らす。2人のダンサーとともに軽やかに歌い踊ったのは、「彼女」。そう、2016年のアリーナツアー『GALAXY OF 2PM』でウヨンと組んだステージを見事に再現したステージだ。さらに、ジャケットを脱ぎ捨てネクタイを取ると、悲鳴のような歓声が上がった。

 「Maybe you are」「I’ll Be OK」「Jealous」まで一気に歌い上げた後、「僕のプレミアムコンサートへようこそ!」と満面のニックンスマイルであいさつ。「東京の皆さん元気ですか?」と呼びかけに答える「はーい!」という返事が、会場の一体感を高める。この日は、ライブビューイングが行われ、DVDの収録もされるという大切な節目。ニックンは、「ライブビューイングの皆さん、元気ですか?」「DVDを見ている皆さん、元気ですか?」と、未来にDVDを見る人にまで声をかけておどけると、会場は笑いの渦となった。

 ステージの右上には、ニックンがデザインしたコンサートのロゴのネオンが飾られている。ファーストミニアルバム『ME』は、全曲ニックンが作詞・作曲を手掛けていて、今回のコンサートでは、新曲の時は、ロゴがピカピカ光るという仕掛けだ。

 ハイチェアーに座り、ギターを手にしたニックンが弾き語りしたのは、「Let It Rain (Acoustic Version)」だった。降り注ぐ雨の中でも守ってくれるHottestに捧げる、ファンソングである。サビのパートでマイクを会場に向け、ファンとコール&レスポンス。

 続いて、「何年もみなさんの傘の下で安全に幸せに過ごしました。これからは、みなさんを僕が守ります」と決意を明かすと、ステージ上のコンサートロゴが光りだす。奏でたのは、新曲の「Umbrella」だった。アルバムで唯一の日本語曲で、〈僕が君の傘になる〉と歌う、いわば「Let It Rain」のアンサーソング。客席をブルーやパープルのライトが照らし、まるで雨が降り注いでいるようにも見える。その会場を、ニックンの歌声がまるで傘のようにやさしく包み込んだ。

 中盤からは、ミニアルバム『ME』の世界にトリップ。アルバムジャケットのビジュアルを再現したピンクの雲の上で、黒いガウン姿のギターを弾く映像が流れると、まるで映像から抜け出たように、同じガウン姿のニックンが登場。ピンクの光に照らされながら、リード曲の「Lucky Charm」「Endearing」と、新曲を2曲続けて披露した。

 大きな拍手を浴びながら、ニックンがふと口にしたのは、2PMのメンバーへの想いだった。

 「2PM……会いたい。メンバーみんな本当にいい人です。こうやってソロをやるのも楽しいですけど、メンバーとやるときは、goodでhappyです」としんみりさせつつ、「彼が僕のことを考えながら作ってくれた曲です」とピアノで弾き始めたのは、Jun. K作詞・作曲の「SO WONDERFUL」だった。後半はシェイカーを手に、ガウンがはだけるのもいとわず、激しくダンス、ダンス。

 さらに、はしゃぐテギョンや、無表情のチャンソン、「ハンパ! ないっ!」と歌うウヨンなど、2PMメンバー一人ひとりの物まねも。「ジュノさんの真似は難しいですね……」と一瞬考えた末にジュノのトレードマークでもあるヒップをネタに「僕はないですけど~」と自虐ギャグで魅せる、エンターテイナーぶりだった。

 終盤の「Mars」では、客席のペンライトの赤い光が星のように輝き、ホールはまるで宇宙空間に。続く「マスカレード ~Masquerade~」はピアノの弾き語りの序盤から一転、男女4人のダンサーを従えてキレキレのダンスを見せると、オールスタンディングの会場は大歓声に包まれた。

 本編ラストの「Colorful X’mas」は、赤いマントを羽織り、サンタ帽のダンサーと歌い踊る、クリスマスパーティーのようなスペシャルステージ。ニックンが大きな白い紙に木の絵を描くと、それがクリスマスツリーの絵に変身。さらに曲終わりでは、ステージ中央に大きな本物のクリスマスツリーも登場し、雪が散るマジカルなステージは大きな拍手が送られる中、エンディングを迎えた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる