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DAOKO、あっこゴリラ、ちゃんみな……最新作のラップ表現とサウンドの特徴を解説

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あっこゴリラ『GRRRLISM』のテーマは自己肯定

 昨年は「ゲリラ × 向井太一」のヒットで注目を浴びたあっこゴリラもメジャーデビューアルバム『GRRRLISM』をリリース。

あっこゴリラ「ゲリラ × 向井太一」

 サウンド面ではインディーズ時代からあっこゴリラをサポートし続けるヒラサワンダ、「ゲリラ × 向井太一」を手がけたPARKGOLF、そして数々のHIPHOPトラックを制作しているgrooveman Spotの3人が制作陣に迎えられており、統一感のある仕上がりになっている。

 インディーズ時代の配信曲で『GRRRLISM』にも収録となった「ウルトラジェンダー × 永原真夏」からメッセージ性が強いリリックを書くようになったあっこゴリラ。フィメールラッパーという色眼鏡で見られてきた彼女だからこそ歌える「ジェンダーを超越する」「ジェンダーからの解放」というテーマを掲げて多くの女性ファンの共感を呼んだ。元々まくし立てるように高速でラップするスキルがあるあっこゴリラだったが、リリックのメッセージ性が強くなったことでMCとしてさらにパワフルに成長したように思える。

あっこゴリラ「ウルトラジェンダー × 永原真夏」

 その後も彼女の放つメッセージは止まらない。アルバムに先駆けて公開された「エビバディBO」は「コンプレックスからの解放」をテーマに歌う。ムダ毛、脂肪、小さい胸。女性にとって悩みの種でもあるそれらをとことん肯定する。

〈愛しくない?ぷよぷよ腹/ガッツリ余裕でおヘソだすわ/完璧じゃつまらないでしょ〉〈小さい胸はAカップ/ハートのサイズ ワールドカップ/詰めてるのはパットじゃなく/希望 希望 keep on now!〉〈VIOライン ボーボーボー/はみ出したとこがきみの才能/born レインボー〉(「エビバディBO」)

 これまでに5lack、般若、B.I.G.Joeといったラッパーのトラックを手がけてきたgrooveman Spotによる小気味の良いディスコチューンに乗せてあっこゴリラは女性に希望を与える。「性の超越」「コンプレックスからの解放」を歌っているのでいかにもフェミニストに思われがちだが、決してそうではない。彼女の掲げるテーマの根底にあるのはあくまで「自己肯定」である。「他者が作った既存の価値観で己の存在価値を決めてはいけない」そう彼女は歌う。男女とか老若とか関係なく、平等に伝え続ける。

 メジャーデビューの発表の直後に配信された「余裕」は何ともポジティブな応援歌になっている。

あっこゴリラ 『余裕』

〈自尊心が低いくせに/プライドばっか育てちゃって/自虐でばっか笑いとって/縛られてたわたし バイバイ〉〈笑われた数だけ/武器がある/わたしのマグナム/超巨大級です/その倍の声量で笑えるように/こころの声の/ボリュームあげてみよう〉(「余裕」)

 ヒラサワンダの鋭利でバウンシーなトラックに乗せてあっこゴリラは、男性だろうが女性だろうが、自分のコンプレックスすらも愛せるようになって笑って過ごそうと力強くラップする。

あっこゴリラ『GRRRLISM』(通常盤)

 そしてあっこゴリラはその自己肯定の呼び掛け/ムーブメントをアルバムタイトルでもある『GRRRLISM』と名づけた。そんな素晴らしい意味が込められた表題曲の「GRRRLISM」は自己肯定を後押しする元気なパーティーソング。〈誰に何言われても関係ないよ/わたしが決めるの/イケてる価値/それだけでOK〉作られた価値観に合わせるのもいいけど、何より自分を信じよう!もっと自分を好きになろう! という熱いメッセージが伝わってくる。

あっこゴリラ 『GRRRLISM』

 そして「ゲリラ × 向井太一」のヒットで一躍名を上げたたPARKGOLFは「GOOD VIBRATIONS x GEN (from 04 Limited Sazabys)」でもトラックを提供。〈たとえば好きな服とか/たとえば好きなmusic/たとえばアリかナシかは/わたしの勝手でしょ〉〈イケてる彼と付き合えたからもてた自信なんて/自己愛の延長でしょi know〉緩くて心地の良いトラックにあっこゴリラのポジティブな歌声。さらに04 Limited SazabysのGENがゲストボーカルとして華を添える。

 他にもTempalayとのコラボとなる「THIS IS ME」、そして前述の「ゲリラ × 向井太一」なども収録。初めから終わりまでパワフルでメッセージ性の強いあっこゴリラワールドが堪能できる。そんな元気と勇気を人々に与えてくれる『GRRRLISM』をぜひ聴いてみて欲しい。

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