DAOKO、あっこゴリラ、ちゃんみな……最新作のラップ表現とサウンドの特徴を解説
ちゃんみなの経験から生まれた「PAIN IS BEAUTY」
スカパーの番組『BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権』で圧倒的な存在感を放ち、瞬く間にアルバムデビュー。昨年もトロピカルハウス調の「CHOCOLATE」がスマッシュヒットになるなど、着実にキャリアを積んでいるちゃんみなが今度はバラード調の「PAIN IS BEAUTY」をリリースした。
元々ピアノを嗜んでいたちゃんみなが作曲にも携わっており、今回はラップだけでなく歌にも挑戦している。しかもテーマはいじめだ。テレビ番組で過去にいじめにあったことがあるというカミングアウトしていたちゃんみなだが、いじめをテーマにしたドラマ仕様のMVを公開している。
〈傷つきたくないのに傷つけられて、でも強がりたかったのに痛みは隠せなくて。その痛みがあるからこそ、今の自分の美しさがある〉(「PAIN IS BEAUTY」)
まだ若干20歳ではあるが、ちゃんみながいじめにあった際の経験を元に書き連ねた言葉はとても重い。カラコンに濃いアイメイク、そしてブロンドの髪。精一杯着飾って「練馬のビヨンセ」を自称する彼女も、元々はとても弱く、しかしそのような過去の経験があるからこそ今の強さ、そして美しさを手に入れたのだろう。ドラマティックなメロディ、そして高い歌唱力がマッチした名曲だ。何よりも彼女のファン層である思春期の女の子たちにもちゃんみなのリリックは深く響くだろう。そろそろアルバム発売の噂も聞こえてきそうな頃合いだが、そちらにも期待したい。
2016年には女性ラッパー/MCがシーンにも増えはじめていたが、2018年にはメジャーを舞台に活躍するアーティストが増えてきた。2019年も彼女たちは突き進み続けるに違いない。そんな彼女たちの雄姿をこれからも応援していきたい。
■鼎
30代ゲイライター。ピーダブリューアールスポーツ株式会社所属。
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