“タッキー&翼”はふたり自身が誰よりも楽しみ尽くした 16年間詰め込んだベストアルバムを聴いて

 キャリアを重ねるごとに、リラックスした表情で作品に向き合うふたり。MV収録のスタジオに入ると、共演者に声をかけたりハイタッチをしたりと、いつも率先して場を温めていた今井。そんな和やかな空気と作品としてのクオリティのバランスを、滝沢がごく自然に取っていく。のびのびとしながらも、適度な緊張感が保たれる、気持ちのいい現場であったことは、映像からも十分に伝わってきて清々しい。

 「(やり残したことは)まったくないです。やり残したとか未練があるとか、そういう思いがあったら、引退するっていう考えにはならなかったと思う」。滝沢は自身がパーソナリティを務めるラジオ『タッキーの滝沢電波城』(ニッポン放送)で、そんなふうに今の心境を語っていた。“悔いはない”と次の道をまっすぐに見据えることができるのは、きっと二人三脚の相方である今井が同じ熱量で駆け抜けたからこそ。もしかしたら、誰よりもタッキー&翼を楽しんでいたのは、ふたり自身だったのではないだろうか。学び舎であり、遊び場であった“タッキー&翼”を楽しみ尽くした、そう思えたのだと信じたい。

 いよいよ12月29日には『8時だJ』(テレビ朝日系)が、そして12月31日には『ジャニーズカウントダウン2018-2019 平成ラストの夢物語!ジャニーズ年越し生放送』(フジテレビ系)が放送される。このタキツバベストアルバムという卒業アルバムのラストページには、最後のステージで見せるであろう、ふたりのやりきった笑顔がよく似合うはずだ。

(文=佐藤結衣)

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