稲垣吾郎、ソロ曲「SUZUNARI」は半生を表す集大成に? MVを観て感じたこと

 稲垣吾郎が14年ぶりにリリースしたソロシングル「SUZUNARI」のMVが、12月21日に公開された。大人の恋をテーマに描かれたMVは、稲垣自身が紡ぐブログを彷彿とさせる落ち着きのある洗練された雰囲気だ。

稲垣吾郎「SUZUNARI」

 フォトスタジオの人工的なフラッシュと、ベッドのある部屋に差し込む陽の光によるプリズム。モノクロの世界から、黄色いヘッドライト、赤い靴、アニマル柄のジャケット、黒いサングラス……と、少しずつ色味を帯びていく時間の流れ。そして〈全部曖昧な色してるよ/どの色が君に見せる顔だっけ〉というフレーズに、私たちの人生はいつだってグラデーションで満ちていることを気づかせてくれる。

 振り返る思い出は、現実より少し美化されているかもしれないし、今の感情だって、いつかは変化していくかもしれない。自分が想定していた以上に感情的になる瞬間もあるけれど、それでもすべてに意味があると思って生きていく。そう歌う本作は、どこか遠い世界のフィクションというよりも、私たちの生きる世界の稲垣吾郎のスタンスそのもののように感じられる。

稲垣吾郎 – SUZUNARI

 同日に公開されたブログにも「遠くで鈴鳴りする声に、回想してゆく過去そして未来… この歌には今の僕の素直な気持ちが溢れている。 こんなにも素敵な曲を・・ 川谷絵音さんありがとうございます!」とコメントしていた稲垣。アーティストとして揺らがない個性を持つふたりは、どこか共通した眼差しでこの世界を見ているのかもしれない。

 このMVやブログから感じられる稲垣のポリシーは、いつだって美しく凛として生きることなのだろう。花を飾ること、季節の移ろいを感じること、自分の似合う髪型を知ること、遠くで鈴鳴る声に耳を傾けること……周囲の変化を敏感に察知する気持ちと時間の余裕をつくるために、自分がするべきことを効率よく進めること。それも彼の美学のひとつだ。

 自分が冷静でいなければ、この美しき世界を守ることは難しいと知っているから。だから、しっかりした理由なく、そのペースが乱されるのを極端に恐れ、感情的になる場面もある。〈おもちゃ箱の様な感情手探り〉の歌詞を聞けば、きっと『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)で草なぎ剛と香取慎吾が「ヒステリックゴロチ」と笑う稲垣の人間味溢れるの部分を思い出して、頬が緩むファンも少なくないはずだ。

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