チケット高額転売規制法、いよいよ成立 狙いと争点を弁護士に聞く

チケット高額転売規制法成立へ

 さらに小杉氏は、今回の法案で気になる点を次のように語る。

「まずこの法律が施行されても、「業として」の立証が難しいという問題は残るのではないかと感じました。今回の法案の特徴としては、不正転売、高額転売の目的をもって購入することも規制対象になっている。業者がボットなどを使って一気に購入する行為はわかりやすいですが、個人が複数の名前を使って購入した場合などは「業として」を立証することは難しい。逆に、取引の回数だけを見て判断した場合、「業として」ではなくてもそう捉えられてしまう可能性もあり、客観的な線引きは難しいです。いずれにせよ、まずは業界内で仕組みを整えていき、それぞれの問題に対して解決するか、よりよいバランスを見出していくのかを整理するための一つのガイドラインを示すことができたのではないでしょうか」

 長年に渡り、取り締まり困難と言われてきたチケットの高額転売問題にいよいよメスが入れられた今回の法案成立。チケットもチケット料金も、しかるべき人の元に届けられる仕組みづくりが東京五輪・パラリンピック開催を前に急がれる。

(文=久蔵千恵)

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