King & Princeのリアルが浮き彫りに “無限の可能性”に目を向けるドキュメンタリー第1回を見て

 また一方で、メンバー最年少の髙橋が漫画家としての活動を歩み始めたことも描かれた。もともと「Mr.KING」と「Prince」のふたつのグループだった彼らが、6人でひとつのグループとして活動していくためには、全体のバランス感を超えた強力な結束と、その結束を強めるために「自分にしかできない何か」という強固な個性を持ち合わせていることが欠かせない。一人ひとりが持つ独立した個性を掛け合わせて、グループを最高レベルに運ぶ。その点では極めて現代的な集合体であるようにも感じるが、これまで成功してきたジャニーズのグループはみんなそうであったと、改めて気付かされる。その点では、やはり彼らは“王道”のジャニーズグループなのかもしれない。

 SMAPやタッキー&翼の解散など、ここ数年で大きな変化が相次ぐジャニーズ事務所。その中で大きな重圧を背負いながら次世代を担う彼らの姿からは「アイドル」というもの、そして何より「ジャニーズ」自体を再定義しようという気概さえも感じられる。これから1カ月続いていくこの番組で、彼らの人間としてのリアルな魅力が浮き彫りになっていくことは間違いないだろう。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

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